2009-2010シーズン 3億600万ユーロ(約375億円)
2010-2011シーズン 3億100万ユーロ(約369億円)
2011-2012シーズン 2億9800万ユーロ(約365億円)
2012-2013シーズン 3億500万ユーロ(約374億円)
2013-2014シーズン 3億1900万ユーロ(約391億円)
2014-2015シーズン 4億1900万ユーロ(約514億円)
2015-2016シーズン 4億3500万ユーロ(約534億円)
上の数字をご覧いただきたい。 12月30日付のスペイン紙『アス』にバルセロナのシーズンごとの選手のサラリーの総額が掲載されていた。バルセロナのサラリーは高騰している。
特にバルセロナの中でも高給なのは、メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの3人だ。今は契約延長を渋っているとスペイン紙『マルカ』に報道されたメッシの去就がバルセロニスタの注目を集めている。バルセロナは今シーズン、ネイマール、ルイス・スアレスと契約を更新した。2014-2015シーズンの3冠の立役者となった2人のサラリーはアップした。現在交渉中のメッシもジョゼップ・マリア・バルトメウ会長は世界最高の選手に見合うクラブ史上最高額の給与を用意すると公言している。トップチームのサラリーの総額がさらに膨らむことは目に見えている。選手の移籍金の高騰が注目を集めがちだが、サラリーもいつの間にか天文学的な数字になっていた。
問題はそんなのトップチームのサラリーが、クラブの年間予算の約70パーセント近くを占めてしまっていることだ。バランスはいびつだ。さらに人件費が増えるのならばクラブは、必然的に収入も増やさなければいけない。『アス』によればバルセロナの収支は2010年に4億1500万ユーロで、2016年は6億7900ユーロと増えているので今のところ問題はない。
問題はタイトルが勝ち取れなかった時、もしくはメッシが得点を決めれなくなった時だ。企業は新商品が売れなければ、財政が切迫される。スポーツチームのバルセロナは、トップチームの戦績が売上にほぼダイレクトに響く。タイトルをとれなくなった時にスポンサー、グッズ、チケットの売上は下がってしまう。したがって、選手がサラリーが上がっていくが、それと同時にシーズンごとにタイトルを奪わなければいけない。重圧は大きい。
グアルディオラはバルセロナの監督を退任する時に、消耗しきったと言った。4シーズンで疲れてしまったのだ。そして今ルイス・エンリケもチームを率いて3シーズン目を迎えているが、まだ来シーズン続投するのか、決まっていない。交渉は4月に行われるようだが、消耗を理由に退任する可能性もあるという。就任会見時の若々しい顔が今は3年という歳月以上に老け込んでしまった。指揮官が過度のストレスの中で過ごしていることは、一目瞭然だ。そんな重圧の起因のひとつが、必ず勝たなければならなくなったクラブの経済状態にあることは確かだ。