はびこる人種差別

1月28日付のスペイン紙『エル・パイス』のデジタル版にあるフットボール選手の物語が掲載されていた。「カルロス・サンチェスの実際にあった話:22年間受け続けた人種差別の侮辱」というタイトルだ。

黒人のカルロス・サンチェスは、コロンビアから10歳の時にガリシア州にやって来た。彼はフットボールをプレーしてきたが、小さい頃から「黒いクズ!!」「サル!!」というスタンドから野次を受けてきた。現在32歳の彼はガリシア州ポンテペドラに住み、サン・マルティン・デ・ビラクアソンというガリシア州1部でプレーしている。

下部組織の時は人種差別の野次はモチベーションとなったが、近年は彼の心に害を与えていた。そして、今シーズンのアウェーゲームで、決定的な出来事が起きた。あまりにもひどい野次にハーフタイムにスタンドに登り、その人にカルロス・サンチェスは向かって行ったのだ。幸いなことに同僚たちが制止し、ロッカールームに戻された。このゲームでは審判がその出来事を記録し、アウェーゲームが行われたチームにガリシア州協会は301ユーロの罰金と1試合の無観客試合を言い渡した。カルロス・サンチェスは、このゲームで人種差別の野次にもう我慢できず、プレーすることを辞めようと考え、チームにも伝えていた。数日後、「野次する人たちに勝たせたくない」と思い直し、再びプレーするようになった。そんなヒストリーが掲載されていた。

2013-2014シーズンにバルセロナに所属していたダニエウ・アウヴェスが、アウェーのビジャレアル戦でスタンドから投げられたバナナを食べ、「人種差別反対」とネイマールらもババナを食べて、キャンペーンとなった。このようにプロフェッショナルのカテゴリーでは注目が集まるが、地域リーグでも下部組織でも人種差別が各スタジアムで起こっているのが現状だ。

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