カンプ・ノウがオフシーズンに美食ラウンジに早変わり

最終節までタイトルの行方が持ち込まれた今シーズンのリーガは、18シーズンぶりにアトレティコ・マドリードが制し、幕を閉じた。ワールドカップに参加しない選手たちはバカンスに出かけ、各チームのディレクターたちは来るべきシーズンに向けて、トップチームの編成に動き出している。毎週末多くの人の熱気が充満していた各地のスタジアムは、8月下旬の次シーズン開幕まで平静が訪れる。しかし、バルセロナの本拠地のカンプ・ノウの今夏はどうやら違うようだ。  

カンプ・ノウのスタジアム・ツアーは、今やバルセロナの観光名所のひとつとなっていて、ゲームがない日も連日多くの人で賑わっている。今夏はさらにその数が増えそうだ。  

というのも、バルセロナが『カンプ・ノウ・ラウンジ』というプロジェクトを発表したのだ。クラブは、カンプ・ノウのメインスタンド1階に「テラスラウンジ」を設置。そこでは、バルセロナが数々の名勝負を演じてきたピッチの目の前で、地元メーカーの何種類ものビールと美食を楽しめることができる。ビールのなかには、世界で一番予約がとれないと言われたカタルーニャ州の三ツ星レストラン、エル・ブジのフェラン・アドリアらスタッフが開発に関わったビール、イネディットも置かれている。また、ほかにもいくつかのビールを掛け合わせた試作品を提供するほか、デギュスタシオン・コースの料理やタパスも楽しめるという。

バルセロナのバルトメウ会長は、試合がない日でもスタジアムで収益をあげるアイデアを練っている。試合のない時期にカンプ・ノウをラウンジとして利用するのもそんなアイデアのひとつだ。カンプ・ノウで結婚式を行うなど、フットボールのゲームがない日でも多くの人に足を運んでもらおうと、クラブはあれこれ考え、実行に移している。  

フットボールは野球のように毎日試合が行われるわけではない。多くて週2試合で、なおかつ毎試合ホームで開催されるわけではない。アウェーゲームもある。試合の日だけではスタジアムで得られる収益は限られる。試合日数は毎シーズン変わらないが、選手たちのサラリー、移籍金はシーズンを重ねるごとに高騰している。だから各クラブはゲームがない日でもスタジアムを稼働させ、クラブの収益を増やすことに迫られているのだ。

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