バルセロナの女子チームがリーガ3連覇を達成した。バルセロナは2011-2012シーズンからリーガのタイトルを独占している。1989-1990シーズンから始まった女子1部リーグで最も優勝回数が多いのは、レバンテとアスレティック・ビルバオでリーガ制覇4回。バルセロナは、その2チームにあと1回と迫っている。また、優勝したバルセロナは来シーズンの欧州クラブ王者を決めるUEFA女子チャンピオンズリーグの出場権を勝ち取った。 　

バルセロナの女子チームは、バルセロナのトレーニングセンターの9番のグラウンドで毎日20時15分からトレーニングが行われる。監督のジョレンスは、17年間バルセロナの下部組織を指導してきた後に2007年から女子チームを率いている。ジョレンスはこれまでにシャビ、ピケ、イニエスタ、ジョルディ・アルバを指導。また、メッシにとってバルセロナで初めての監督もジョレンだった。ジョレンは、女子チームの監督となってからも、チームが志向するフットボールスタイルは男子のトップチーム、もしくは下部組織と全く同じだった。ボールポゼッションを大事にし、対角線へのパスを狙い、ゲームの主導権を握るフットボール。女子でもバルセロナのスタイルは不変だ。女子スペイン代表に9人もの選手を送り込むバルセロナは、リーガで55戦不敗と圧倒的な強さを見せている。

しかし、欧州の舞台では勝つことはできない。バルセロナはUEFA女子チャンピオンズリーグでは今シーズンは準々決勝で敗れた。2001-2002シーズンから始まったチャンピオンズリーグでスペインのチームが優勝したことはない。バルセロナの今シーズンの女子チームの予算は50万ユーロ（約7000万円）。リーガのライバル、エスパニョールは25万ユーロで、バルセロナの予算はスペインの中で最も多い。だが、欧州のトップクラブと比べると予算の差は歴然としている。2011、2012年と欧州王者に輝いたフランスのリヨンの予算は400万ユーロ（約5,6億円）。昨シーズンの王者であるドイツのヴォルフスブルクは100万ユーロ（約1,4億円）だ。バルセロナの女子の選手のほとんどは学生、もしくは仕事をしており、プロフェッショナルとして選手生活だけに専念しているわけではない。スペインではフットボールはスポーツの王様だが、それは男子に限った話だ。UEFAによると、スペインの女子成人チームは149チーム。ドイツは5,782チーム、フランスは1,790チーム、スウェーデンは1,286チームある。競技人口、競争力、そして予算が欧州の他国に比べると少ないことは明白だ。 　

スペインの女子クラブチームが欧州王者になるのにはまだ時間がかかりそうだ。