2010-2011シーズンから2012-2013シーズン終了までレアル・マドリードの監督を務めたジョゼ・モウリーニョ。彼がレアル・マドリードを指揮したこの3シーズン、最大のライバルであるバルセロナとの闘争は凄まじかった。直接対決の前から、常にモウリーニョがメディアを通じて“舌戦”を仕掛け、また両チームの選手間の仲も険悪なものになった。たとえ、スペイン代表の同僚で欧州選手権、ワールドカップを制覇した仲間だったとしても、関係は冷えきっていた。あまりに険悪だったので、このままでは代表チームの悪影響になると感じたカシージャスが、シャビに両チームのライバル関係を緩和するために電話したのは有名な話だ。
モウリーニョはレアル・マドリードを去った。しかし、その時代の名残はまだ残っている、と地元紙『スポルト』が伝えている。バルセロナの大半の選手たちにとって、シャビ・アロンソはいまだに食事で同席したくない選手だという。モウリーニョが指揮し、両クラブの関係が最高潮に悪かった時は、シャビ・アロンソ、セルヒオ・ラモス、アルベロアの3人がバルセロナの選手たちにとっては、いっしょにいたくない選手たちだった。モウリーニョがいなくなってから時間が経ち、セルヒオ・ラモス、アルベロアの2人とは関係が戻ったようだが、シャビ・アロンソは今でもバルセロナの選手たちと問題を抱えているという。
少し前に、シャビ・アロンソを広告に起用したい企業が、彼といっしょに出演するバルセロナ所属のスペイン代表選手を探していた。しかし、バルセロナの何人かのスペイン代表選手はシャビ・アロンソとの共演を拒否。なぜなら、シャビ・アロンソと関係を持ちたくないからだ。最終的に、広告ではシャビ・アロンソとプジョルが共演をしたが、2人がいっしょにいた時間を極力少なくするというのが条件だったようだ。
どんなに関係が悪くても、ピッチ上では関係ない。互いにプロフェッショナルなのだから、同じユニフォーム、ましてや代表チームのユニフォームを着れば、勝利のために力を合わせて戦う。そんな幼稚な選手が世界最高峰のクラブにいるはずがない。ピッチ外でも仲がいいから、ピッチでも最高のコンビネーションを見せるとは限らない。ライバルだからこそ、「隣にいるこいつの前ではミスはできない」と緊張感のある雰囲気ができ、いいパフォーマンスを披露するチームもあるのだ。(地元紙は)バルセロナとレアル・マドリードという両クラブのライバル関係をおもしろおかしくしたいだけで、ワールドカップ連覇を狙うスペイン代表には何の影響も及ぼさないだろう。