スタジアムでの事件

15日のスペインリーグ24節ビジャレアル対セルタ戦で、87分にセルタのゴール裏のスタンドから催涙ガスが投げ込まれ、試合が中断。ピッチの選手だけでなく、観衆も一斉に避難する事態となった。試合は20分間中断され、その後プレーを再開した。投げ込まれた催涙ガスのボトルは軍事活動で使用するものだったという。また、ビジャレアルは、この日集まった1万6,000人の観衆に向けてメディアと通して、お湯ではなく水で3~5分で身体洗い、その後石鹸で洗い流すこと、洋服も外に干した後に水で洗うことを勧めた。

ビジャレアルのエル・マドリガルのピッチに催涙ガスが投げ込まれた翌日の16日には、2部の試合前に殴り合いが起こり、4人が逮捕された。デポルティーボ・ラ・コルーニャのホーム、リアソールで行われたスポルティング・ヒホン戦だ。この日はスポルティング・ヒホンから7,000人近くのサポーターがアウェーまで詰めかけた。その試合前に両チームのサポーターが約20人が揉みあいとなり、軽傷ですんだが、4人の逮捕者が出た。

今週末のスペインのスタジアムでは、ゲームへの関心よりも高い騒動が起こった。サポーター同士の衝突が起こり、逮捕者が出るのは起こりがちなケースだが、催涙ガスは珍しい。(スタンドから投げ込まれた)ライターがクリスティアーノ・ロナウドに直撃したり、折りたたみ傘が審判に直撃したりしたことがあったが、催涙ガスのボトルがスペインのピッチに投げ込まれたのは異例だ。過去に、2002年のフットサルリーグでマドリッド州に本拠地を置くボアディージャ対モストレス戦で噴き出したことがあった。

スペインのスタジアムで起こった最も悲しい出来事は、1992年5月15日のエスパニョールのホームスタジアム、サリアで起こった。サリアは、1982年ワールドカップでイタリア対ブラジルの名勝負が行われた、今はなきバルセロナのスタジアムだ(今はピッチがあった場所が公園となり、周りにはマンションが建てられている)。この日はエスパニョール対カディスが行われた。そのゲームで観戦に訪れた13歳の少年の胸にベンガル花火が突き刺さり、少年は亡くなった。父親は息子は助けようとし、手に火傷を負った。少年はこの日初めてのフットボール観戦で両親と弟と共にスタジアムに来ていた。

スペインではこの悲劇以来、ベンガル花火などスタジアムへの火薬類の持ち込みは一切禁止となっている。

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