ユニフォームの「胸のロゴ」は各クラブにとって大きな収入源となっている。たとえば、レアル・マドリードは今シーズンからエミレーツ航空と5シーズンの契約を結び、1シーズン約3000万ユーロ(約40億円)のスポンサー料を受け取っていると言われている。バルセロナにしても、今シーズンからカタール航空のロゴが入っている。これまでソシオの会費で運営してきたため胸にスポンサーを入れていなかったバルセロナだが、欧州舞台で戦うためには高騰する年俸のトップ選手を留まらせなければならず、ユニフォームの胸ロゴという重要な収入源を使わなければ補えないということなのだろう。カタール航空と3シーズン契約を結び、1シーズン約4500万ユーロ(約63億円)の収入を手にしている。
このように、ユニフォームの胸ロゴは大きな収入源なのだが、リーガでは近年胸のロゴが入っていないチームが多い。スペインの失業率は25パーセントに達しており、国内の経済は冷えきっている。1部のチームであろうと胸スポンサーを見つけるのは困難なのだ。
そんな状況を逆手に取り、慈善キャンペーンを始めたクラブがある。グラナダだ。グラナダは「フットボールの息子たち」という慈善キャンペーンを展開。グラナダは今シーズン、胸に何のスポンサーもついていないユニフォームで前半戦を戦ってきたが、後半戦は「毎試合ごと」に胸スポンサーを競りにかけられ、競りに勝った個人、もしくは企業の名前が胸ロゴに登場する。収益金は全て、受刑者を親に持つ子どもたちが教育を受け、成長できるためのサッカースクールの創設資金として使われる。
実際に、第20節のホームのオサスナ戦で、グラナダは胸に地元企業の「Pilsa」というロゴをつけて戦った。クラブの発表によるとPilsaは3,350ユーロで競りに勝ち、オサスナ戦の胸ロゴとなった。
スポンサーが集まらないのならば慈善キャンペーンにしてしまえばいい。すばらしい発想の転換だ。