バレンシア州選抜が親善試合を行わなくなった理由

かつて、クリスマス休暇時期にスペイン各地で自治州の選抜チームの親善試合が開催されていた。アンダルシア、ナバーラ、ガリシア、バレアレス諸島、バレンシアなどが南米の代表チームを招いて親善試合を行っていた。ところが、昨年の年末に親善試合を行った自治州の選抜チームは、カタルーニャとバスクの2チームだけだった。

バレンシア州もかつては選抜チームを編成し、毎年親善試合を行っていた。州選抜チームが初めて試合を行ったのは1918年。アラゴン州選抜と試合を行い、10年置きなど不定期にカタルーニャ選抜らと試合をしていたが、1944年を最後に試合は途絶えていた。2001年に再びバレンシア選抜は活動を再開し、リトアニア、セルビア、カメルーン、ブルガリア、コロンビア、ペルーと親善試合を年末に行っていた。昨シーズン限りで引退した元バレンシアのキャプテンのアルベルダや現在バレンシアのジェネラルディレクターを務めるルフェテ、そして今でもビジャレアルで現役を続けるファリノスらがプレー。しかし、2006年の12月27日を最後に今日まで試合は行われていない。

なぜ行われないのか?バレンシア州選抜の責任者が地元紙のインタビューに応じていた。

選抜チームが活動をしない大きな理由のひとつが、経済的なものだ。かつては地元テレビ局が試合を放送するために約2000万円の放映権を払っていたが、それがなくなってしまった。チームの活動費がない。今は試合をしてもいいが、ギリギリの予算しかなく、ならば下部組織にその分を割り当てたい。また、選手たちも選抜チームでプレーするよりもクリスマス休暇で身体を休めたい。これらが主な理由だった。また、バレンシア州選抜のゲームはスタジアムが満員になったことがなかった。2006年に行われた最後のゲームは1万4,000人しか埋まらず、スタンドはすかすかだった。2007年にもチームを編成し、試合を行おうとしたが、経済的な理由で断念していた。

下の年代ではもちろん選抜チームは編成されているが、果たしてバレンシア州選抜トップチームが次にゲームを行うのはいつになるのか。今のスペイン国内の経済状況では当分は難しいだろう。

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