9月2日でスペインでは移籍市場が閉まる。今夏も移籍の話題が地元紙の紙面を賑わせた。レアル・マドリードへの入団が決まったベイルを中心に、連日、真実味の薄い噂も含めて多くのニュースが飛び交った。 そんな中、この夏の間に所属チームを2度も替えた選手がいる。8月31日にイングランドのマンチェスター・シティへの入団が決まったアルゼンチン人ディフェンダーのデミチェリスだ。デミチェリスは、昨季終了後にマラガとの契約が満了し、同胞のシメオネ監督が率いるアトレティコ・マドリードへ移籍。ただし、アトレティコ・マドリードは32歳のディフェンダーに対して1年の契約だった。
昨季までマラガの指揮官だったマヌエル・ペジェグリーニはディフェンスの補強を考えていた。チリ人指揮官は、マラガでデミチェリスと仕事をしており、彼をよく理解している。監督の意向もあり、マンチェスター・シティがデミチェリスにオファー。アトレティコ・マドリードにとっては移籍金ゼロで獲得し、絶対的なレギュラーでもないデミチェリスの売却は痛手ではない。ただし、センターバックの層が薄くなるので、以前からクラブがスカウティングをしていたアヤックスに所属するベルギー人ディフェンスのトビー・アルデルヴァイレルトにオファーをした。
トレティコ・マドリードはベルギー人のディフェンス獲得に一銭も使っていない。なぜならアトレティコ・マドリードは、ベルギー人ディフェンスの獲得に必要な移籍金の額でデミチェリスをマンチェスター・シティに移籍させたからだ。
デミチェリスはマンチェスター・シティと2シーズンの契約を結び「まだまだ成功したいし、これからも向上していきたい」と話している。2年契約というのも彼が満足している大きな要因だ。一方、アトレティコ・マドリードは、コストゼロで以前から興味を示していた24歳のベルギー人ディフェンスを獲得した。移籍金ゼロで獲得した選手がわずかな間に新たな選手を補強できる額へと変貌したのだから、満足していないわけではない。
7月11日にアトレティコ・マドリードに入団したデミチェリスは9月1日にマンチェスター・シティへの移籍が決まった。アルゼンチン人ディフェンダーは、わずか52間だけアトレティコ・マドリードの選手だった。