クラブが始めた「サポーター専用の職業案内所」

2010-2011シーズンに1シーズン1部で戦い、降格したエルクレス(本拠地バレンシア州アリカンテ)。現在も2部に属する彼らが、地元組合と協力して“あるプロジェクト”を始めた。それは、「年間シートを持つ無職の人の履歴書を地元の600企業に紹介し、条件に合えば採用する」というマッチング・プロジェクトだ。要は、クラブと地元組合が共同で「サポーター専用の職業案内所」をつくったのだ。  

チームが本拠地とするアリカンテを中心に、サポーターは、パン屋から弁護士事務所まで実に600の企業に履歴書を提示することができる。エルクレスは、現在年間シートが6,500席売れている。エルクレスのホームスタジアム、ホセ・リコ・ペレスの収容人数は2万9,584人。チームとしては、年間シート購入者を最低目標である7,000人まで増やしたい。そこで、地元組合とコレボレーションしてクラブがこのようなプロジェクトを始めたのだ。負債を抱えるクラブ側も、年間シートを値下げするのではなく、このようなアイデアによって購入者を増やしたいと考えているようだ。  

スペインは深刻な経済危機で失業率は約26パーセント。特に若者の失業率は50%を越え非常に深刻だ。サッカークラブと地元組合がコラボレーションして、職業案内の場をつくるという新しい試み。果たして効果はあるのだろうか。

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