メトロ値上げストップ!

先日、マドリード州政府から一般市民に朗報が届けられている。それはメトロ料金の値上げにストップをかけるというものである。

現在、メトロの点検で1,600人を超える人々が毎夜働き、そのための新しい補助自動車も導入され、あまりにも高騰してきているマドリードのメトロの補助金。新たにマドリード州運輸大臣に就任したパブロ・カベロは先日、60%にもなっている莫大なその補助金の10%を削減するための解決法を発表した。

そのひとつは人通りの多い駅にカフェ、レストラン、ショップを設置するというもの。日本では当たり前なのだが、マドリードでは駅構内に売店やレストランが置かれているところは非常に少なく、その収入源の可能性を示していた。

また来月からのメトロ料金値上げを行わない旨も発表された。市民の反発も予想されてか、その解決法には含まれなかった。ただし年内中に全く値上げがないのか、その期限がいつまでなのかという点については言及されていない。

近年、マドリード市民を悩ませているメトロの大幅な値上げ。ここ最近、値上げがあったのは昨年8月だがその上げ方がひどかった。メトロ1回券の料金が1ユーロ(約100円)から何と1.5ユーロ(150円)へと50%も値上がった。

今年の始めにマドリードは、ニューヨークやロンドン、ベルリン等のメトロ料金を引き合いに出し、値上がった料金でもマドリードがどれだけ安いかというポスターを駅構内や町中に貼ってキャンペーンを行っていた。しかし市民にとって50%の値上げには変わりなく、とても効果があったようには思えない。

またメトロ10回券の値段もここ7年間で60%高騰した。2005年には5.80ユーロ(約580円)だったものが、現在9.30ユーロ(930円)へと値上がっている。

何はともあれ、値上げラッシュにストップをかけ、他の解決法を選んだのは非常に喜ばしいことだ。一般市民にとってメトロはなくてはならない大きな足なので、この不景気の中、さらなる値上げは大きな負担になるだろう。

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