日本から持ち込まれたヨーロッパ最古のツバキ

日本や中国、インドシナ半島などからヨーロッパに持ち込まれたツバキやサザンカは、現在ではヨーロッパ人を魅了する美しい花、として親しまれている。 

東洋からヨーロッパに最初にツバキを持ち込んだのは17世紀のイエズス会の宣教師やポルトガル商人だと言われており、ポルトガル北部やポルトガルと国境を挟むスペインのガリシア州では、日本産や中国産原種のヨーロッパ最古のツバキを見ることが出来る。

スペイン語でツバキは、ラテン語の「Camellus」から来る「カメリア」と呼ばれ、ガリシア州のパソ(古い城館)などの庭園で18世紀頃から好んで栽培されるようになった。ガリシア州のどの地域に最初にツバキが持ち込まれたかは正確には分かっていないが、フィゲロア城館、トレ・ダ・ラマ城館、サンタクルス・デ・リバドゥージャ城館、オカ城館などの庭園で見られる最長15mにも成長する「レティクラタ種」が、ヨーロッパ最古のツバキとして認知されている。

ポルトガルとの国境付近のガリシア州南部、ポンテベドラ県リアス・バイシャス地方のツバキは、(ポルトガルの)ポルトの栽培家マルケス・ロウレイロが1849年に始めたカメリア栽培が伝えられたものとされている。

こうして完全にポピュラーな花となったツバキは現在、200種以上も存在し、ポンテベドラ県では毎年国際ツバキコンクールが実施されている。同県にある“ソウトマイオール城の庭園”が、今月中国の楚雄で行われた国際ツバキ会議で、スペイン初となる「国際優秀庭園」に承認された。

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