スペイン、カディス県ロタ基地へのNATOミサイル防衛システム導入に合意

10月5日、アメリカとスペインの両政府首脳は、スペイン海軍と米軍が共同使用するアンダルシア州カディス県のロタ海軍基地に、NATO北大西洋条約機構のミサイル防衛システムを導入することで合意した。

ジブラルタル海峡のすぐそばに位置するロタ基地は、ヨーロッパの玄関口に当たり軍港と全長約3.7kmの欧州最長の滑走路を持つ海軍基地である。アラビア半島だけではなくリビアなどの北アフリカ情勢が緊迫化する中で地中海上空全域をもカバー出来る同基地への重要性が高まり、米軍によるNATO軍のミサイル防衛システムの配備が決定した。

アンダルシア州にはロタ基地の他にも米西で共同使用するモロン基地がある。そして、カナリア諸島や北アフリカのスペイン領セウタと並んで30%近い失業者率に達した同州では、米軍がもたらす経済的価値は重要である。

2009年にオバマ大統領が予算削減を強いられ、サパテロ首相にスペインにおける米軍基地の縮減を提言して以来、アンダルシア州のさらなる失業者拡大を恐れた同首相がそれを拒否していた事でスペインとアメリカ両政府の外交関係が悪化しかけていたが、近隣諸国の情勢悪化に伴い、アメリカ側がロタ基地へのミサイル防衛システムを導入することで決着した。これに伴い約1000人規模の雇用拡大が見込まれるている。

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