スペインの10年後には人口が50万人減少

スペイン国立統計研究所(INE)が行った研究「2011-2021年におけるスペインの人口推移予測」によると、10年後の2021年にはスペインの人口は最高で50万人以上減少すると推測されている。これは現在の人口の約12%に当たる。この背景には、高齢化社会による死亡率の増加と出生率及び外国人移住者の減少が挙げられる。

まず、出生率に関しては、2011年から2020年までの10年間で、2001-2010年に比べ4.7%減の約440万人の出生が予想されている。2020年の出生予測は40万人で、2010年の出生数に比べて18%も低い数字となっている。

そして高齢者社会へと突入するスペインで増加する死亡率と高齢者数だ。平均寿命はこの先10年間で男性で2歳、女性で1.5歳ほど伸びる予測で、2021年には65歳以上の高齢者数が現在よりも140万人増えると見られ、死亡者数は先の10年間で400万人に上り、2020年に予想される40万人の死亡者数は2010年に比べ約10%増加している。

さらに外国人移住者数も減少傾向にありスペインを去る外国人が増えている。今年は45万人の新たな外国人がスペインに移住してきたが、一方で58万人もの外国人がスペインを去り他の国へと移っていった。このまま減少し続けると先の10年でスペインから約94万人の外国人が減ることになる。

以上の統計からスペインでは現在の5800万人の人口が4500万人に減少すると見られている。深刻なのは、2021年には人口10人のうち6人が16歳以下、もしくは高齢者となり、労働者人口の割合が高くなることである。

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