マラガ市民の夢の実現はいつに??

2006年から工事が行われているマラガ市街を横断する地下鉄工事が、アンダルシア自治州政府の資金不足のために暗礁に乗り上げている。

当初の予定では2009年に完成予定だった地下鉄も、現在の完成予定年は2014年に変更され、3路線開通予定だったものが1路線については工事すら行われていない状態となっている。また市の中心地まで乗り入れる予定となっていた路線も、資金不足のため中心地に線を到達させることができない状況に陥っており、アンダルシア自治州政府がすでに工事が行われている箇所を完成させる代わりに、中心地への乗り入れを断念するようマラガ市側に通達を出すなど、大きな混乱を招いている。

とはいえアンダルシア自治州政府の発表によると、現在工事が行われている2路線のうちの一部が今年の11月11日に開通する見込みとなっており、すでに地下鉄として利用される車両がマラガに運び込まれるなど、完成を待ち望む市民の一縷の望みとなっている。

1990年代にマラガ市民の大きな期待を背負いスタートした地下鉄計画は、足掛け10年あまりを経てようやく工事にこぎつけた。しかし着工した工事も経済危機のあおりを受け完成の見通しが不透明となっている。それでもすでに1万3000人もの失業者が、地下鉄での職を求め事務所に履歴書を持ち込んでいるという。

慢性的な渋滞に悩むマラガ市民の“夢”として始まった地下鉄事業。完成までの道のりは想像以上に長く険しいものとなっており、地下鉄がマラガ市民の足として活躍する日がいつになるのか予想もできない状態となっている。それでも楽天的なマラガ市民は、「地下鉄?孫の代までには完成するさ」と笑顔を絶やさない。まずは11月11日の一部開通に希望を託すことになりそうだ。

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