リーガ・エスパニョーラは、レアル・マドリードの5シーズンぶり、通算33回目のリー
ガ制覇で幕を閉じた。まだコパ・デル・レイ決勝、スペイン2部リーグの昇格争い、そし
てレアル・マドリードが決勝進出したチャンピオンズリーグとシーズンは終わっていな
いが、地元メディアは色々なアングルから今シーズンの総括を始めている。そんな中で
面白い切り口をしていたのが、スペインで最も多い発行部数を誇る日刊スポーツ紙『マ
ルカ』だ。
「年間シート購入者は、そのチームの得点と勝利を見るためにいくらかかったのか?」と
いうレポートで、年間シートの収益率を特集していた。各チームの年間シートで最も経
済的なカテゴリーのシートを対象に、それぞれの年間シート保持者は自チームの(つま
りホームゲームにおいて)得点や勝利を見るのにいくら費やしたのかを算出している。
例えば、バルセロナの場合、最も安い年間シートは132ユーロ(1万6500円)でカン
プ・ノウで64得点を決めているので、1得点を見るのに2,1ユーロ(262円)、ホームで
15勝なので1勝を見るのに8,8ユーロ(1100円)だった。1得点、勝ち試合を見るのが最
も安かったのは、バルセロナだった。
リーガ王者レアル・マドリードは、1得点を見るのに4,7ユーロ(588円)、1勝を見る
のに15,9ユーロ(738円)、3位のアトレティコ・マドリードは1得点8,1ユーロ(1013
円)、1勝23,2ユーロ(2900円)が必要だった。
1得点を見るのに最も高額だったのは、アラベスで1得点11,6ユーロ(1452円)だっ
た。ちなみに2番目に高かったのは、エイバルで11ユーロ(1377円)となっている。
勝ち試合を見るのが1番高かったのは、降格したオサスナで1勝を見るのに122,5ユーロ
(1万5340円)がかかった。次に高いのはスポルティング・ヒホンで45ユーロ(5635
円)だった。降格したチームが高額となったのは、必然だ。勝ち星が少ないから彼らは
降格した。
得点を決めれば決めるほど、勝利すれば勝利するほど、年間シートを持っている観衆
にとってはお得なのか。毎シーズンを優勝を義務づけられたマドリディスタ、バルセロ
ナニスタはそんなお得感よりも、タイトルを制覇した優越感、もしくは幸福感を重視し
ているはずだ。リーガタイトルを逃したバルセロニスタが「あぁ、今シーズンも得点
を、勝ち試合をより安く見えてお得だったなぁ」なんて思っているはずがない。