PKに見放されている        今シーズンのアトレティコ・マドリード

リーガ・エスパニョーラ22節セルタ戦で、アトレティコ・マドリードは乱戦を制した。86分にカラスコが2-2となる見事なボレーを決めると、終了間際の88分にエースのグリーズマンが決めて、勝点3を手にした。リーガでは引き分けが多いチームにとっては、信頼を回復させるのに絶好の勝利だったと地元メディアは伝えている。と同時にアトレティコ・マドリードに続く不運についても報じている。その不運とはPKである。

 アトレティコ・マドリードは今シーズン、公式戦で得たPK9本のうち、実に6本を外している。PKの失敗率は実に66,6パーセントにも上る。セルタ戦では見事なシュートを決めたフェルナンド・トーレスだが、その後に手にしたPKでは、シュートをバーに直撃させた。コパ・デル・レイ準決勝バルセロナ戦では、ガメイロがPKを失敗。その後にフランス人フォワードは得点を決めたが、試合は引き分けに終わり、チームは敗退した。エースであるグリーズマンもレガスネス戦でPKを外した。彼はアトレティコ・マドリードのユニフォームを着てこれまでに7本のPKを蹴っているが、5本も失敗した。皆さんの記憶にも新しい昨シーズンのチャンピオンズリーグ決勝、レアル・マドリード戦で失敗したPKもその内の1本だ。アトレティコ・マドリードはPKのスペシャリストがおらず、チームはゴール機会を失っている。

 審判が笛を吹かない。ビッククラブばかりを審判は優遇する。PKは決めて当たり前と捉えられており、議論されるのは「あれはPKだった」「誤審だ」とジャッジだが、アトレティコ・マドリードの場合はPKをもらっても、決めれないという問題が横たわっている。

 地元紙『エル・パイス』によれば、ディエゴ・シメオネ監督が就任してからアトレティコ・マドリードは、昨シーズンのチャンピオンズリーグ決勝のPK戦も含めて実に69本のPKを蹴り、その内19本を失敗した。とはいえ2013-2014シーズンは13本のPKの内、6本を外したが、リーガタイトルを獲得している。決められなくてもタイトルを勝ち取っている歴史はあるが、チームが低調だと失敗しているものに注目が集まる。

 アトレティコ・マドリードが次にPKを手にした時は、誰がキッカーになるのだろうか。

ページトップへ