レアル・マドリードが敗戦すると、クリスティアーノ・ロナウドがやり玉に挙げられる。ビッククラブのエースの宿命だ。レアル・マドリードで言えば、ラウール・ゴンザレスもチームの不振で幾度となく叩かれた。ライバルクラブのバルセロナのエース、リオネル・メッシも2シーズン前はそうだった。敗戦するといつも責任を追求されるのは監督であり、そしてエースだ。
リーガ・エスパニョーラ11節セビージャ戦で、レアル・マドリードは2-3で敗れた。“エル・クラシコ”を前に両者の間には勝ち点差は3に開いた。セビージャ戦は、これまでに19得点を決めるなどロナウドにとって最も得意な対戦相手だった。しかし、このゲームではロナウドは5本のシュートを放ち、枠内は1本だけで無得点に終わった。
驚異的なペースでゴールを量産してきたロナウドだが、今シーズンは11節が終わって、8得点。昨シーズンはこの時点で18ゴールを記録していた。1試合平均1,8得点の得点力は、今シーズン1試合0,72得点だ。過去のシーズンで11節終了時に11(2010-2011シーズン)、13(2011-2012シーズン)、12(2012-2013)、11(2013-2014)、18(2014-2015)と決めてきたポルトガル人ストライカーにとっては、今の8得点は少ない。実際に2009-2010シーズンにレアル・マドリードにやってきて以来、最低の数字だ。
エースストライカーのゴールは、チームの勝敗を左右する。ロナウドが得点を決めた試合はレアル・マドリードは85パーセント勝利しており、彼が得点を決めた試合では7パーセントしか負けていない。ロナウドがゴールを決めなかった試合は56パーセントが勝利で、負け試合が19パーセントだ。
ロナウドはラファ・ベニテス監督との関係も良好ではないと言われており、カルロ・アンチェロッティを辞任させたフロレンティーノ・ペレス会長にも不満を抱いている。その結果、パリ・サンジェルマン戦後にローラン・ブランに「あなたといっしょに仕事をするのは大歓迎です」というコメントが報道されたり、インタビューでレアル・マドリード以外でキャリアを終える可能性があると示唆したことが大きな話題となった。
エスパニョール戦で1試合に5得点を奪ったとはいえ、11節終了時点で8ゴールという結果は、立派な数字だ。過去の彼の戦績に比べると確かに少なくっているが、決してスランプというほどの数字ではない。それでもチームが負けるとこのようにエースは叩かれ、移籍の噂まで出てしまう。スター選手はいい時にしろ、悪い時にしろ、注目が集まる。