スペイン人が胸を張っている。自分たちのフットボールが世界を魅了している、と。たしかに、11日に行われたUEFAスーパーカップは、スペインフットボールの見本市だった。
チャンピオンズリーグ王者バルセロナとヨーロッパリーグ王者セビージャのゲームは、5-4という稀に見る美しい試合だった。バルセロナがその力を見せつけ、4-1とリードを奪い、試合を決定づけたに思えた。セビージャはそこから観衆を驚かせる。リラックスしたバルセロナに対して、3得点を立て続けに奪い、同点にし、試合を延長に持ち込んだ。
延長戦では途中出場のペドロが決勝点を決めた。メッシのフリーキック、セビージャのすさまじい反撃、そしてマンチェスター・ユナイテッドへの移籍に揺れるペドロの決勝点。この壮大なドラマをスペインのメディアは手放しで褒め称えた。
スペインでは、バルセロナとレアル・マドリードの欧州でも屈指のビッククラブがリーグをけん引していてつまらないとされるが、その評を覆す戦いをセビージャは見せた。つまり、スペインは競争力があるリーグだという実証でもある。ちなみに、スペイン・スーパーカップのファーストレグでアスレティック・ビルバオがバルセロナに4-0で大勝したこともそれを裏付けている。
スペイン人が胸を張る動機は、それだけではない。スペイン紙『エル・パイス』はあるデータを掲載していた。2000年以降、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、そしてUEFAスーパーカップと欧州のタイトルを最も多く獲得しているリーグに関するデータだ。
それはドイツでも、イングランドでもなく、スペインのリーグに属するクラブなのだ。しかも圧倒的な差をつけている。バルセロナ、レアル・マドリード、セビージャ、アトレティコ・マドリード、そしてバレンシアの5つのクラブが、2000年以降、23タイトルを獲得した。一方、イングランドは6タイトル、イタリアは5タイトル、ドイツは3タイトルとなっている。
欧州のフットボール、つまり世界のフットボールをけん引しているのはスペインだ。クラブだけでなく、近年の代表チームの戦績もそれを示している。
スペイン人が胸を張る魅惑のリーグは、21日に開幕する。