スペインを示すエピソード、エイバル監督の会見退席

エイバルのガイスカ・ガリタノ監督が試合後の会見を途中で中断し、引き上げてしまった。エイバルは4月26日に行われたスペインリーグ33節、アウェーでのアルメリア戦で0-2で敗れた。

そのゲーム後に行われた会見で、エイバルの指揮官は最初の2つの質問をバスク語で返答した。その後、アルメリアの地元記者がその返答に不満を漏らすと、ガイスカ・ガリタノは退席してしまった。

ガイスカ・ガリタノは最初に質問した記者がバスク語で話したので、バスク語で返答した。その時にすでにアルメリアの地元記者は不満を言うと、2つ目の質問もまたバスク語で行われ、指揮官は1つ目の返答同様にバスク語で応じた。すると地元記者の一部がまたも不満を示すと、監督はそれを見て退席してしまった。

ガリタノはバスク語を尊重しないアルメリアの記者たちに怒って、退席したのだろう。この出来事はスペインで注目を集めている。スペインではカタルーニャ州がカタロニア語(カタルーニャ語)、バレンシア州がバレンシア語、ガリシア州ではガリシア語、そしバスク州ではバスク語が話される。中には方言ではなく、公式文書、書類でも公用語として認められている。

スペインは各地域によってキャラクターが大きく違い、多様な文化を持つそれぞれの民族が集まり、1つの国として形をなしている。雨が多いガリシア州の人間と、常に太陽があり、温暖な日が続くアンダルシア州の人間のキャラクターは当然ながら違う。それはスペインの魅力の1つでもある。ただ、アルメリアの地元記者たちはその多様な文化を尊重しなかった。

同会見に同席したアルメリアのプレス担当は、1つ目と2つ目の質問の間に不満を言った地元記者に対して、このように語りかけていた。「アルメリアは6シーズンも1部におり、君たちも分かっているはずだ。バルセロナがここに来た時も最初にカタロニア語での質疑があってから、次にスペイン語で話している。もう少しリスペクトしてください。すみません、監督続けてください。」

しかし、プレス担当のこの呼びかけも虚しく、2つ目の質疑の後にも不満があがり、ガイスカ・ガリタノ監督は退席してしまった。

多様な文化があり、そこに誇りを持つ人間がいて、それに対して、その言語を尊重しない人間(またバルセロナのようなビッククラブの前ではそんな不満を示さず、エイバルのような小さいクラブに対しては不満を言う)がいる。スペインという国を示す象徴的な出来事だった。

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