昨年の全米オープン決勝で、錦織圭と決戦い、グランドスラム初優勝を達成したマリン・チリッチ。4月20日から開催されたバルセロナ・オープンのため、クロアチア人テニスプレーヤーは同街に滞在していた。
4月19日の午前中には、バルセロナのトレーニングセンターを訪ね、同胞のラキティッチと初めての対面を果たした。有名なプロスポーツ選手同士だ。もちろんお互いのことは知っていたが、直接話をするのはこの日が初めてだった。2人は1時間に渡って、会話を楽しんだ。
面白いことに幼少時代に2人はそれぞれサッカーとテニスをしていた。クロアチアのナンバー1スポーツはサッカーだ。マリッチも周りの大半の子どもとテニスをしながらも、同じようにサッカーをしていた。一方、ラキティッチもサッカーをしながら、テニスをしていた。マリン・チリッチは、その後にテニスだけに専念。ラキティッチはテニスが好きで、テニスプレーヤーになることを考えていたが、13歳の時に父親のアドバイスもあり、サッカーだけに専念することになった、というエピソードを同胞に明かした。2人のエリートのアスリートだ。その運動能力を持ってすれば、ラキティッチはテニスプレーヤーに、チリッチはサッカー選手、と今の2人の立場が全く逆でもおかしなかったのかもしれない。
ラキティッチは今シーズン、バルセロナに入団したばかりだが、もうすでに何シーズンもプレーしているかのようにすんなりと適応した。2人のゴールキーパーと共にラキティッチという新戦力も今シーズンのバルセロナの語る上で欠かせない。セビージャからやって来たクロアチア人はインタビューで「メッシがどのようにしてドリブルしているのか、イニエスタがどんな風にパスをしているのか、わからない。僕はいつもイバン・ラキティッチでいなければいけない」と語っている。周りの選手の真似でなく、チームのスタイルに適応させようとするのではなく、自分のプレースタイル、信念を貫くことがラキティッチがバルセロナで成功した秘訣なのかもしれない。