シャビ・アロンソは無敵ではなかった

レアル・マドリードが敗れた。クラシコが3-4という結果に終わり、リーガ制覇をかけて3チームが、まさに「毎試合が決勝」という緊張感を持って、残りシーズンを戦わなければいけないことになった。

レアル・マドリードが公式戦で敗れたのは31試合ぶりとなる。レアル・マドリードが最後に敗れたのは10節にカンプ・ノウでのクラシコだった。10節以降、レアル・マドリードはシャビ・アロンソが負傷から復帰。中盤にバスク州出身のスペイン代表が戻ってきてからはレアル・マドリードは負けていなかった。  

シャビ・アロンソはそんなチームの中盤の柱として活躍。イタリア人指揮官はそれまでシステムも定まらず、中盤のバランスをとることができなかったが、シャビ・アロンソが復帰したことでチームの戦い方は安定した。シャビ・アロンソは守備力も高い。クロアチア人のモドリッチは、中盤にシャビ・アロンソを得たことで、快く攻撃に参加することができるようなった。クリスティアーノ・ロナウド、ベンゼマ、そしてベイルという世界屈指のアタッカーが揃う前線も中盤が安定したことですさまじい破壊力を発揮するようになった。シャビ・アロンソが復帰してからレアル・マドリードのパフォーマンスは向上し、それから結果も27勝4分とついてきた。彼の復帰後、レアル・マドリードが無類の強さを見せつけ始めたのだ。  

しかし、サンティアゴ・ベルナベウでは、シャビ・アロンソはバルセロナの決勝点となるPKを与えてしまうなど精彩を欠いた。中盤でもレアル・マドリードが今シーズン見せていたパスワークはなく、シャビ・アロンソが攻撃の場面で顔を出すことはほとんどなかった。珍しくシンプルなパスを4本ミスしている。また、この日のレアル・マドリードはサイドバックの背後を突かれ、シャビ・アロンソはディフェンスで忙殺された。  

シャビ・アロンソが復帰してからレアル・マドリードは負けなしだった。誰もが彼の存在の大きさを実感し、(彼が)契約延長のサインをする前には、サンティアゴ・ベルナベウでのゲームではシャビ・アロンソに残留を懇願するコールがスタジアム中で起きた。彼が復帰してからは勝つだけではなく、チームのプレーのクオリティも向上したのだから、サポーターがシャビ・アロンソを求めるのは当然だ。ただ、そんなレアル・マドリードにとって“守り神”であるシャビ・アロンソがいても、バルセロナには勝てなかった。

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