来夏にメッシはバルセロナにいるのか、いないのか

27節にバジャドリードに敗れたバルセロナ。レアル・マドリードと勝点差4となった。リーガ制覇の可能性は十分にあるが、バルセロナの未来には多くの疑いの目が向けられ始めた。2004-2005シーズンから始まった近年のバルセロナの成功の終焉を予想する地元メディアは多い。

バルセロナの黄金期をまず築き上げたのはロナウジーニョだった。陽気なブラジル人がチームを牽引し、2006年にはクラブに史上2度目となる欧州王者のタイトルをもたらす。そんなロナウジーニョのパフォーマンスが徐々に落ちてきた2008年夏に、バルセロナは大胆な変革を敢行した。トップカテゴリーでの経験がないグアルディオラを監督に抜擢し、グアルディオラはロナウジーニョ、デコらを退団させ、メッシに10番を与えた。後にバロンドール4年連続受賞し、世界最高の選手となるメッシを中心にバルセロナはタイトルを独占。グアルディオラは4シーズンでチャンピオンズリーグ優勝2回、インターコンチネンタルカップ優勝2回、リーガ3連覇など実に14のタイトルをもたらした。チームは結果だけでなく、そのクオリティでも世界の賞賛を集め、フットボール史上最強のチームと謳われるほどだった。グアルディオラが退団した翌シーズン、バルセロナはリーガを制したが、欧州の舞台ではバイエルン・ミュンヘンに大敗するなど近い将来起こるバルセロナの凋落を予期させるものとなった。

そして今シーズン、リーガでは優勝争いをしているものの、そのフットボールのクオリティにクレたちは納得していない。その証拠に、カンプ・ノウはビックマッチでなければ満杯とはならず、ヘラルド・マルティーノ監督の布陣、戦略は度々、槍玉に挙げられていた。今夏に入団したブラジル代表のネイマールも期待に見合ったパフォーマンスを発揮できていない。自身の契約問題で周囲の喧騒もあり、むしろ調子は落としている。来シーズンは今までのクラブの黄金期を支えたプジョル、ビクトル・バルデスがいなくなり、クラブは望む望まないにかかわらず、根本的な改革が行われるだろう。

その改革で注目を集めそうなのがメッシの去就だ。メッシとネイマールの2人が並んで大きな科学反応が起こるだろうと期待されたが、今のところ2人の天才の才能は掛け合わさっていない。地元メディアは今までのバルセロナがそうしてきたようにメッシを放出し、ネイマールという新エースを中心にチームを構成。そんな風に新たな刺激、挑戦をチームに与えて成長させるのがいいのではないか、という意見がある。

バジャドリードに黒星を喫したからそんな声が大きくなっているが、どちらにしろ来シーズンに向けてバルセロナはラジカルな改革に迫られるだろう。その時メッシはバルセロナにいるのか? もしくは天文学的な移籍金の話題の中心人物となっているのかもしれない。

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