ジエゴ・コスタに広告でも不快感を示す

今シーズン13節終了時点で13ゴールを決めるなど、アトレティコ・マドリードの躍進の象徴となっているブラジル人ストライカーのジエゴ・コスタ。彼はブラジルでプロデビューすることなく、ポルトガルでプロとして契約。その後、隣国スペインのアトレティコ・マドリードへ移籍。アルバセテへのレンタル移籍、バジャドリードへの移籍、再度アトレティコ・マドリードと契約。ラージョ・バジェカーノにレンタル移籍するなどして、スペインで技を磨き、そのタレントを開花させた。昨シーズンはアトレティコ・マドリードでのパフォーマンスが認められ、ブラジルのフル代表に召集された。  

だが、スペイン国籍を取得したジエゴ・コスタは、スペインが自分に全てを与えてくれた(スペインが自分の実力を認めてくれた)と考え、「スペイン代表でのプレー」を選択することを発表。ブラジルとスペインの間で優秀なストライカーを巡っての綱引きがここ数週間大きな話題となったが、アトレティコ・マドリードのストライカーは「スペイン代表」を選択。ブラジルのフル代表では親善試合でのプレーだったので、スペイン代表でプレーすることに問題はない。しかし、ジエゴ・コスタは、ギニア、南アフリカとの親善試合のメンバーに召集されたが負傷のため辞退し、スペイン代表でのデビューはお預けとなった。次の代表戦は来年3月5日のイタリア戦とかなり間が空く。また、ワールドカップまではテストマッチを数えるほど。少ないチャンスでジエゴ・コスタは自分をアピールしなければならなくなった。トーレス、ジョレンテなどパフォーマンスを上げており、スペイン代表ファワードのポジション争いは激化している。  

一方、母国ブラジルは、代表監督のスコラーリを筆頭に、ジエゴ・コスタの決断を「裏切り」と捉えている。ほとんどの国民もそう考えているのだろう。ブラジルの自家用車の広告では『ジエゴ・コスタとは違い、この車にはブラジルの誇りが詰まっている』という宣伝文句がつくられた。また、自家用車のメーカーはラジオ広告も出している。それは、来年のワールドカップ決勝でブラジルがスペインと対戦するという架空のストーリーで、試合終了直前にブラジルが1-0に、そこでスペインがPKのチャンスを手にするが、ジエゴ・コスタが失敗し、ジエゴ・コスタが外した!というものだ。ジエゴ・コスタはすっかりブラジルでは裏切り者、嫌われ者となっている。  

今年のコンフェデレーションズカップでは、ブラジルの最大のライバルとして、決勝のブラジル戦以外でもブラジルの観衆はスペイン代表にブーイングを送っていたことがニュースで取り上げられた。もし仮にジエゴ・コスタがスペイン代表としてワールドカップでプレーすれば、スペインはさらに大きなブーイングを浴びながらプレーすることになるだろう。

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