タタ・マルティーノとスペイン

ティト・ビラノバが病の治療に専念するため、プレシーズンが始まって1週間でバルセロナは新監督を探し始めた。ビラノバの後任としてバルセロナの監督に就任したのが、アルゼンチン人のヘラルド・“タタ”・マルティーだ。マルティーノはメッシと同じロサリオ出身。現役時代の大半は生まれ故郷に本拠地を置くニューウェルズの攻撃的ミッドフィルダーとして活躍。地元サポーターの熱狂的な支持を集めており、メッシの父親のホルヘの“アイドル”だったという。ゆえにメッシの意見をディレクターが聞いて、監督が選ばれたのではないか、と地元メディアは書き、マルティーノ自身もメッシたちがアシストしてくれたのではないか、という趣旨の発言をしたが、メッシ自身は監督人事は自分には全く関係ないとコメントを残している。  

マルティーノは監督としても、ニューウェルズで2013年にチームを後期リーグ優勝に導いている。アルゼンチン、パラグアイで成功をおさめ、2010年ワールドカップではパラグアイ代表を監督として率いていた。しかし、欧州での実績はなく、バルセロナが欧州で初めて率いるチームだ。ゆえに、スペインでは無名に近い。  

ただ、スペインと接点がなかったわけではない。  

マルティーノは現役時代に4か月間だけスペインのクラブでプレー。1990年で彼が28歳の時だった。テネリフェに所属し、1部リーグで15試合出場1得点という記録を残している。ちなみに、ゴールを決めた相手はセビージャだった。チームメートには当時将来有望な若手だったフェルナンド・レドンドがいた。パフォーマンスはよかったが、攻撃だけしかせず、ディフェンスはおろそかにするミッドフィルダーという評価もあったようだ。さすがに現役時代に4か月間しかスペインでプレーをしていない選手をみんなが覚えているはずがない。  

マルティーノにとっては2度目のスペインでの仕事となる。今回は人々の記憶に残る人物となれるのだろうか。

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