報奨はムール貝

ビーゴにはセルタを応援する多くのペーニャがある。そのペーニョのひとつ「オス・カルカマナス」がアスレティック・ビルバオの選手たちに意外なものをプレゼントした。  

スペインリーグ第36節、アスレティック・ビルバオはアウェーでサラゴサと対戦。サラゴサはセルタと1部残留を争う直接のライバルだ。ゲームはアスレティック・ビルバオがサラゴサに2-1で勝利した。この勝利はセルタにとって重要だった。サラゴサが敗れたことによりセルタには1部残留の可能性が生まれたからだ。  

そこでこのペーニャはビルバオのトレーニングセンター・レサマに5箱合計20キロのムール貝を届けた。それは金額にすると日本円にして約13万円になるという。マルセロ・ビエルサらテクニカル・スタッフ、そして選手たちにプレゼントをしたという。  彼らはなぜガリシアから約700キロ離れたビルバオまでムール貝を届けたのか。愛するクラブに残留の可能性を与えてくれた感謝の気持ちももちろんあっただろう。  

しかしそれだけではない。このプレゼントはプロモーションも兼ねていた。ちょうどこの期間、アルゼンチンの公務員や企業がバスク州を回っていた。彼らがムール貝を届けた日はこの一行がアルゼンチン人指揮官のマルセロ・ビエルサに挨拶に来ていた。そこでそのアルゼンチン人たちにもガリシアの海産物、海産物のメーカーを知ってもらおうと持っていったのだ。プレゼントとプロモーションの一石二鳥だ。  

フットボールの世界では勝利給などあるが、ムール貝の現物支給というのはアスレティック・ビルバオの選手たちにとって初めての経験だったに違いない。

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