82年間の歴史初の1部昇格なるか

82年の歴史を持つクラブが初めてトップカテゴリーに。  

現在スペイン2部リーグで2位につけるジローナに注目が集まっている。全42節のうち、第37節終了時点で勝点67の2位。上位2チームが1部に自動昇格する2部リーグのため、このままこの位置を維持すれば、クラブ史上初めての1部昇格となる。3位のジローナは37節2位のアルコルコンに勝利し、2位に浮上。それでもアルコルコンとは勝点2ポイント差なので最終節までは油断ならない状況が続くが、この小さなクラブの躍進にちょっとした注目が集まっている。  

ジローナFCは、カタルーニャ州のバルセロナから車で1時間ほどの人口約9万人の町をホームタウンとする。ホームスタジアムのモンティリビィは、収容人数約9,200人と小さい。それでもかつてはチケットをさばくのに苦労したが、今季はまるで天と空が逆転したようにチケットが売れているという。今でこそ活況しているが、3年前にはチームは消滅の危機にあった。1958-1959シーズンを最後に2部リーグの舞台から遠ざかっていたジローナだったが、約50年ぶりに2008-2009シーズンから2部に昇格を果たす。するとクラブは選手の補強にお金を費やし、身の丈にあった運営ができていなかった。そこでボアダス会長は、選手、テクニカルスタッフの給料の45パーセントをカットした。サラリーは大幅に下がったが、チームはそれまでのパフォーマンスを維持し、今季は1部昇格も現実味を帯びてきた。会長は「給料をカットしたが、それでも素晴らしい仕事をしてくれた選手とテクニカルスタッフはヒーローだ」と讃える。  

クラブは問題を全て解決できたわけではない。クラブの予算は約4億8,000万円に縮小できたが、負債は約4億2,000万円ある。ただ今季だけを見れば、クラブは黒字となっている。  

ジローナのセンターバック、チュスは地元メディアにこう語っている。
「昔は誰も僕のことは知らなかったけど、今では道で人々に止められる。僕に喜びを与えてくれるんだ」  

中盤のルソもメディアにこう話していた。
「3シーズンここにいるけど、今ほど僕のことを町の人が知っていた時はない」  

小さな町が我チームの快進撃に色めき立っている。ジローナは82年のクラブ史で初めて1部昇格を達成することが出来るだろうか。

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