”Joyel Rico de los Austrias”とは?-3

1599年、フェリペ3世はマルガリータ・デ・アウストリア=エスティリアと結婚。画家のフアン・パントハ・デ・ラ・クルスとベラスケスは宝石を身につけた彼女の肖像画を作成している。

1615年、後のフェリペ4世となるフェリペ王子はイサベル・デ・ボルボンと結婚。17歳になった時イサベルは岳父にこの家宝を譲られる。この宝石を身につけた姿でベラスケスの肖像画に描かれている。

フェリペ4世の跡継ぎバルタサール・カルロスは、マリアナ・デ・アウストゥリアの許婚だったが夭死したため、フェリペ4世は彼女と1649年に結婚。ベラスケスは髪飾りとして宝石を身につけるマリアナの肖像画を作成している。

マリアナ・デ・アウストゥリア

マリアナ・デ・アウストゥリア

1679年、ハプスブルグ家最後のスペイン国王カルロス2世がマリア・ルイサ・デ・オルレアンスと結婚。彼女も宝石を身につけた姿で画家のホセ・ガルシア・イダルゴによる肖像画に描かれている。

マリア・ルイサ・デ・オルレアンス

マリア・ルイサ・デ・オルレアンス

このように代々受け継がれてきた宝石に1808年、転機が訪れる。フランスがスペインを侵攻し、ナポレオンはスペイン国王に兄ジョセフ・ボナパルトを据え、そのジョセフ・ボナパルトの令により、この宝石はフランスへ持ち出された。ダイアモンドと真珠は離れ離れになり、それぞれの運命を辿ることになるのだ。「巡礼者」はナポレオン三世の手に渡り、彼の経費捻出のために売りに出された。そして、その後の20世紀にオークションに出品されたところを、俳優のリチャード・バートンが彼の妻で女優のエリザベス・テイラーのために落札。しかし、2011年に女優が逝去した際、「巡礼者」は再びオークションに出品され、匿名の人物によって落札された。今はその人物の所有になっている。ダイアモンドの方は現在行方不明。

エリザベス・テイラー

エリザベス・テイラー

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