現在、日本も含め世界中には多くの中華街が存在している。同じようにスペインの首都マドリードにも中国人経営による雑貨店、食料品店、衣料品店、レストランから美容室、ネイルサロン、マッサージ、自動車教習所、独自の銀行に至るまで、ありとあらゆるものが揃い出しており、中国社会が大きく確立されてきている。
それでも恐らく、マドリードはまだまだ世界の他の都市と比べると中華街というほど大規模なものにはなっていないと思われる。しかし、今度は中国人のために考えられた特別な「住宅開発」がマドリードで行われるというのだ。
この開発プロジェクトを担うのはスペインの会社Grupo Mainで、場所はマドリード州の町フエンラブラダ。マドリード市から南西に20kmほど行ったところにある20万人ほどが暮らす町である。
なぜこの場所が選ばれたかというと、フエンラブラダには現在、推定30,000人近くもの中国人が暮らしているからであるとのこと。そこはマドリードの中でも中国人が最も多く住んでいる町のひとつとなっている。
Grupo Mainの建築ディレクターはこのことについて、「これまでスペイン在住の中国人たちは、西洋式の住居に暮らさなければならなかった。そのため私たちは彼ら(の生活スタイル)を考慮し、風水の教義に基づいたデザイン住居を設計する必要性がある」と考えたそうだ。
「中国デザインの住居地区」というのはスペイン初になるとのこと。その住居の間取りは、寝室3部屋にふたつのお風呂、ひとつのトイレとなっていて、22件が建設される予定である。また、共同部分の中国式の庭園には木でできた橋や敷石の回廊が作られ、さらにはプールまで設置される予定である(※画像参照)。しかし、この住居は中国人だけでなく、西洋人も購入できるようになるようだ。
近年、大幅な経済成長を遂げている中国であるだけに、マドリードにもそのうち、他国に負けない程大規模なチャイナタウンが姿を現すのもそんなに遠い未来のことではないかもしれない。