急増する新たなファーストフード店

イタリアン、ベジタリアン、タイ料理、和食、ホットドッグ、そして果汁100%のフレッシュジュースまで、首都マドリードでは、マクドナルドやバーガーキングなどのハンバーガーチェーンとはまたひと味違う「新たなファーストフード店」がここ最近、続々とオープンしている。

これらのお店の特徴は、“30平行メートル以下”と店舗が非常に小さく、営業時間が“深夜まで”と非常に長く、“値段が安くてお持ち帰り”というところにある。最初のうちはただのブームと見られていたが、マドリードでは完全に定番化してきているようだ。

これらのパイオニア的な存在となったのが、数年前、マドリードの中心地にあるサン・イルデフォンソ広場(最寄り駅は1番線トリビュナール)にオープンした“ピザ屋”であった。店名は「ラ・ビタ・エ・ベジャ」で、イタリア・シチリア島出身者によって経営されている。

このお店には深夜3時でもすごい行列ができている。成功の秘密は何と言っても、“作り立てを他店よりも非常に安く提供”しているところにある。また、マドリードにはその時間ほとんど食事を取れるような場所が存在しないことも理由のひとつになるだろう。

このようなファーストフード店は、この不景気を乗り越えるための優良企業のひとつへと変貌してきている。実際、わずか2010年から2011年の間に、マドリードには28もの「テイク・アウェイ専門の大型フランチャイズ店」がオープンしてきており、急成長を遂げている。

しかしこれらのお店の乱立によって問題も発生している。このタイプのお店は、旧市街など中心地の景観を壊している。また住民の間では、別の論争が巻き起こっている。

マドリードの住民地区のスポークスマンは、「すでに私たちは市役所に様々な苦情を訴えています。なぜならボテジョン(屋外での酒盛り)を促進させることになりますから。あれらはカモフラージュされたバーです」と否定的だ。

以前は深夜に食事ができるところがほとんどなかったマドリード。ここ数年だけ見ても急激に便利になってきており、特に旅行者にとってはこの新しいファーストフード店は頼もしい味方になるだろう。しかし、マドリードにとって、そしてスペインにとっては、その分大事な何かも徐々に失いつつあるようだ…

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