物議を呼ぶ「2020年マドリッド五輪」誘致のロゴ

1月30日、スペイン五輪評議会は、2020年の誘致を進めるマドリッドオリンピックの公式ロゴを発表したが、そのロゴに対して各方面から批判の声が挙がっている。

というのは、ロゴは公募により選ばれ、サラゴサでデザインの勉強をするルイス・ペイロットさんの作品が受賞した。しかし、正式発表されたロゴはペイロットさんのオリジナルデザインに広告会社が手を加えたもので、受賞を知らされた本人も驚くロゴとなった。そして、ペイロットさんがツイッター上で自身のオリジナルロゴを公開したことでメディアを中心に物議を呼んでいる。

彼がデザインしたロゴは、マドリードを代表する“アルカラ門”からインスピレーションを得た五輪色の5つの長方形に「m20」と書かれたものだった。一方、正式発表されたロゴは、長方形がアーチの形に変更され、また、字体や配色も変わり、五輪色の一つである黒色が使用されていない(※詳細は画像①、②参照)。

スペイン五輪評議会は、コンクールは最初からアイデアを学生に対して募集したものである、と説明している。これに対し、ペイロットさんは自身がデザインを手がけたロゴの方を気に入ってはいるものの、「受賞したのは僕の“アイデア”であってデザインではない。正式に決定したロゴも良い。僕はただの学生で、プロのデザイナーが手を加えることは知っていた。」と話している。

これで一見落ち着いたかのようだが、さらにもう一つ別の抗議があがっている。
今度は、同性愛者向けの人形やキャラクターをデザインする会社MACAISAが、同社が手がけるキャラクターの髪の毛部分のデザインをコピーした盗作だと抗議しているのだ(さらにはそれらのキャラクターが現れるポスターの中にはアルカラ門が描かれているものがある/※画像③参照)。今回のマドリッドオリンピック正式ロゴ発表を受けて、イギリスやブラジルなどから「公式ロゴはあなた方のキャラクターと瓜二つなのだが」という電話が相次いだそうで、同社は争いごとは避けるとしながらも、オリンピックロゴが盗作だと信じて疑わないようだ。

スペイン五輪評議会はこの件に対してはコメントを避けている。

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