進行するマドリードの大気汚染

マドリード市役所は、市内24カ所で大気の二酸化窒素濃度の測定を行ったところ、2011年度(1月~12月)は19カ所で、年間平均の制限値である「1立方メートル当たり40マイクログラム」を上回る数値が出たことを発表している。

最高値を示したのはマドリード南部のフェルナンド・ラドレダ公園だった。特に午後8時の時間帯に測定した際には353マイクログラムという非常に高い数値が出ていた。(この場所での1立方メートル当たりの年間平均値は63)。

反対に低かったのがレティーロ公園、カサ・デ・カンポ、フアン・カルロス一世公園、トレス・オリーボス、エル・パルドのわずか5カ所のみ。中でもマドリード北部のエル・パルドが最も低く、1立方メートル当たりの年間平均値は23であった。このような大きな公園や郊外でしか、健康保護の制限値を下回ることができていない。

2011年の二酸化窒素濃度の平均は45マイクログラムだったのだが、2010年は44マイクログラム。前年に比べると1マイクログラム上昇しさらに状況は悪くなっている。

環境の専門家によると「近年、経済危機のため、交通量は下降傾向にあるにもかかわらず、前年と比較するとマドリードの大気汚染はひどくなっている。その原因が次の3つの汚染物質にあるのは明白だ」と話し、「それは二酸化窒素、浮遊粒子状物質、対流圏オゾンによるものである」と確言している。さらに、「深刻な問題にもかかわらず、マドリード市は汚染削減プランなしに1年以上も放っておいている」と批判も行っている。

その解決法については「汚染がピークの時間帯の交通量を制限する必要がある」としている。

現在、マドリードでは大きな公園や郊外でのみでしかきれいな空気を吸うことができない。大気汚染はどこの町でも問題になっているが、その解決法を見つけるのは中々難しいのだろう。

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