臓器移植先進国、スペイン

『スペイン臓器移植団体(ONT)』のデータによると、先月23日~25日の72時間で、スペイン全土の病院で行われた臓器移植の数が94件を記録し、過去最多となった。

移植された臓器の内訳は、腎臓が53件、肝臓23件、肺8件、心臓6件、すい臓3件、腸1件であった。移植を受けた人の中には、24-48時間以内に臓器提供を受けられなければ命を失っていた緊急患者もいた。今回の移植のために臓器を提供した人は39名。うち、死亡直後の人は2名だった。

過去最多の臓器移植が実現した背景には、スペインの「臓器提供登録数」の多さがある。実際、100万人中32-34人がドナーに登録していて、この数は臓器移植が進んでいることで知られているアメリカやベルギーの数を越えている。2005年以降、人口に対する臓器提供者率で世界トップとなっている。さらに、過去19年間、スペインは臓器移植・提供数において世界トップの国である。

ONTによると、スペインでは2010年、1502人の臓器提供者による、3773件の臓器移植が行われた。一方、日本では昨年、113名の提供者による293件の移植が行われている(データ:社団法人日本臓器移植ネットワーク)。

尚、スペインで最高記録を更新した同72時間以内の臓器移植手術は、スペイン全国42の病院で実施された。臓器輸送のために、軍の空港や国際空港・民間空港で様々な航空会社計12便が協力した。ONTはこの間に6度も政府へ直々協力を要請する必要があったという。

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