雑誌『ナショナルジオグラフィック・トラベラー』が世界中の空港を「デザイン性」と「利便性」の両面からランキングした企画『パーフェクトエアポート』で、マドリッドのバラハス国際空港が第1位に選ばれた。
「バラハス国際空港」の年間利用客数は欧州4位の5千万人弱。2006年に拡張工事が行われ、それまであった3つのターミナル(T1、T2、T3)のリフォームに加え新ターミナル「T4」が完成した。特に「T4」の天井には波打つように膨大な量の竹が使用されていて、その形が広いターミナル内で利用客が方向感覚を保つの上で適していることと、デザイン性の高さで多くの人に評価され、これまでにも王立英国建築家協会賞などを受賞している。
設計を行ったのは二人の建築家で、その一人リチャード・ロジャース氏は1933年生まれのイギリス人。フランスの欧州人権裁判所や東京の政策研究大学院大学、テクノプラザ岐阜などの設計を手がけた、国際的に活躍する建築家。日本に事務所も持ち、2007年にはプリツカー賞(米ハイアット財団から優れた建築家に授与される賞)を受賞した。もう一人は、レアル・マドリッドの本拠地サンティアゴ・ベルナベウの拡張工事や同クラブの練習施設などの設計をした、地元マドリッド出身の建築家アントニオ・ラメラ氏。
なお、2006年に新ターミナルT4の駐車場でバスク民族組織ETA(バスク祖国と自由)による爆弾を使ったテロが発生し2人が死亡、約20名が負傷するという事件が起きていて、爆発で建物の一部も破壊された。