スペイン北部ルーゴ県リーバス・ド・シルという地域の山からおよそ1世紀~2世紀頃のローマ帝国時代の金の採掘の跡地が発見された。
今回、新たに発見された古代ローマ人の金採掘場跡地は、約130mトンネルで出来ており、現在まで最寄のロウサデーラという農村の住人くらいにしか知られていなかった。住民がピクニックなどで同跡地から湧き出る水を汲みに出かけたり、その水を貯水して村の田畑へ利用していた。
ロウサデーラの住民はそのトンネルがローマ帝国時代に金採掘場跡地などとは思っていなかったらしいが、ガリシア州の登山家などが住民の教えでそのトンネルを訪ねた所、調査の余地があると確信し、考古学者イバン・アルバレス氏に報告、同氏の訪問で事が明らかになった。
アルバレス氏によると発見された跡地のトンネル内の壁には、当時照明として利用されていた油ランプを掛けていたと思われる痕跡が見られるという。
古代ローマ時代にガイウス・プリニウス・セクンドゥスによって書かれた書物にはローマ人によって金採掘が始められた当時、今回ルーゴで発見されたトンネルで金の採掘が行われていた時代に労働者たちはトンネル内を照らす油ランプが持続する時間を就労時間の目安としていた、と書かれている。