スペイン産最高品質ホップ、半世紀を経て栽培を再開!

ラ・コルーニャ県ベタンソス周辺は、第2次世界大戦以降1950-60年代にかけて、ビールの原料の一つ“ホップ”の栽培がスペインで最も盛んだった地域である。「黄金の緑」と呼ばれる最盛期を迎えるも、70年代の過疎化の進行によりホップを栽培する農家がこの地域から消えてしまった。しかし、半世紀が過ぎた今、スペイン産ホップ誕生の地で再び栽培が行われることになった。その背景には、1ヘクタールあたり約3000~4000ユーロというホップの収益率の高さや、国産良質ホップでビールを造りたいという製造者達の強い願望がある。

ラ・コルーニャといえば、スペイン国内でもファンの多い苦味のビール“Estrella Galicia”の生産地である。ビールにしか使われないホップの地元栽培を最も願ってきたこのビール会社と公共の研究機関が2004年からチェコ産やドイツ産のホップで研究を重ねてきたところ、ベタンソス産のホップにはビールの苦味を決めるα酸の含有量が12%と非常に高い値で含まれており、これはスペイン産唯一のホップであるレオン産の11%と比べても1%高く、この違いは大きいとのことだ。そこで、ガリシアホップ技術協同組合(LUTEGA)は、環境省と州政府農業省から設備投資の援助を45%受け、栽培を開始した。

現在は4ヘクタールで栽培中だが10ヘクタールを目標としている。しかし、Estrella Galiciaが生産する年間1億リットルには約50ヘクタールでホップを栽培する必要があり、更なる生産の拡大が求められるだろう。

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