スケートボーダーのメッカに危機!?

サンフランシスコと並ぶ「スケートボーダーのメッカ」として知られるバルセロナ。MACBA(バルセロナ現代美術館)前のロサンゼルス広場、バルセロナ大学前のウニベルシダ広場には、プロ、アマを問わず毎日のように世界中からスケートボーダーが集い腕を競う。中には、スポンサー向けのプロモーションDVDの撮影に訪れる本格派も。そのテクニックを見たいがために広場を訪れる“観客組”も多い。これらの広場は、広い階段、長い手すり、スロープ、大理石の縁石と、スケートボードに理想的な条件が揃った、世界で数少ないスポットなのだという。

ところが、ここ最近スケートボーダーを脅かす“敵”が現れた。それは「罰金」。ロサンゼルス広場をはじめとする市内のスケートスポットの多くに、「スケートボード禁止」の標識が掲げられたのである。見つかれば50~1500ユーロの罰金が科されるとあって、パトカーが来るやボーダーたちが退散する、という光景が当たり前となった。「近所の住民、通行人の迷惑になる」、「うるさい」、「危険」など禁止の理由は様々だが、ロサンゼルス広場の常連ボーダーは、「本当に危険なら、なぜ警察は時々パトカーでやってきて、僕らを取り締まる前に近くのカフェでコーヒーを飲んでいるのか」と憤慨している。

地元紙『エル・ペリオディコ』の取材に応じたドミニカ共和国出身のプロ・スケートボーダーは、「市は僕たちが自由に練習できるような“スケートステーション”を建設すべき。バルセロナはスケートボードを観光名物として利用しながらも、ボーダーからはしっかりと罰金をとっている」と主張している。「スケートステーションなど建てる金はない」というのが市の言い分のようだが、「スペインで一番ケチな土地」と言われるカタルーニャ。実は「“有料”スケートステーションから見込める収入」と、「罰金収入」をソロバン勘定し、迷わず後者を選んだのかもしれない。

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