スペインの夏に終わりを告げる自転車プロ・ロードレース、「プエルタ・ア・エスパーニャ」が8月20日に開幕した。第6ステージの行われた25日、テレビにアップで映し出されたのは、ゼッケン172番をつけた大会史上初の日本人、土井雪広選手(スキルシマノ所属)だった。はっきりと聞こえる「頑張れ」コール。コースの両脇にはためく日の丸の旗。この日、集団から抜け出す“逃げ”を決めた土井選手に、スペイン中の自転車ファンがエールを送ったにちがいない。
ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリアとともにグランツールと呼ばれるプエルタ・ア・エスパーニャ。フランスとイタリアでは過去に新城幸也、別府史之ら日本人選手が出場、完走を果たしたのに対し、プエルタ・ア・エスパーニャに出場した日本人は土井選手が初めてだった。本人はレース開幕前、スペインの自転車競技ファンに絶大な人気を誇るブログ「Sprint Especial」にも登場。国内外の有名選手へのインタビューを専門とするこのブログで、「大会初の日本人選手として、レースを思う存分楽しみたい」と初参加への意気込みを語っている。
土井選手がスペインで注目を浴びたのは今回が初めてではない。今年2月に行われたブエルタ・ア・アンダルシアの第4ステージで7位、8月上旬のブエルタ・ア・ブルゴスの第4ステージで9位と健闘した土井選手に対し、コアなファンはプエルタ・ア・エスパーニャへの出場も期待していたという。相性の良いスペインで、今度はどんなレースを見せてくれるのか。最終ステージの9月11日まで目が離せない。
※写真提供:Sprint Especial