新年まで持つか、2人の監督の首

リーガ・エスパニョーラは今シーズン、これまでに3人の監督の首が飛んだ。1人目はラス・パルマスのパコ・エレーラ、2人目はレバンテのルカス・アルカラスだった。もう1人は昨シーズンからレアル・ソシエダを率いるスコットランド人のモイーズ監督だ。そして、この3人に続きそうな監督が2人いる。
 
勝ったチームはいつものように勝ち点3以上のポイントを手にすることはないが、エル・クラシコの結果は大きな影響力を持つ。レアル・マドリードのラファ・ベニテス監督は内容でも結果でもバルセロナに完敗し、その進退が取り沙汰されている。シーズン序盤、勝ち点も首位のバルセロナと6ポイント差となったが、彼の首はすでに危うい。プレシーズンからチームのパフォーマンスが守備的であると批評され、大エースであるクリスティアーノ・ロナウドとは戦い方で確執があると言われ続けてきた。火のないところに煙は立たない。少なからず、エースとの間に確執があるのだろう。

エル・クラシコでの敗戦で、その溜まったものが全て爆発してしまった。クリスティアーノ・ロナウドは、フロレンティーノ・ペレス会長に「ベニテスをとるのか、オレか」と監督の解任を迫ったと報道されている。また、退場になったイスコもベンチスタートだったことに失望を隠せなかったことを公言している。

バルセロナ戦の敗戦は、監督だけでなく、フロレンティーノ・ペレス会長の進退問題までに発展した。スタンドから会長が座る貴賓席に向かって、辞任コールが起こった。会長は会長選挙を開会する気はないと言っているが、このままトップチームがマドリディスタを満足させることができなければ、昨シーズンのバルトメウ同様に、会長選を開くことと宣言しなければ収拾がつかなくなるだろう。

たったひとつのゲームの敗戦で劇的にチームが窮地に陥る。エル・クラシコが特別なゲームなのは、こんな報道からもよく分かる。

ベニテスと共に首が危ういのが、バレンシアのヌーノ・エスピリト・サント監督だ。ヌーノが救われるのは、彼の代理人ホルヘ・メンデスの存在もあり、オーナーのピーター・リムの信頼が揺るぎないことだが、選手やバレンシアニスタに求心力はない。昨シーズンはピーター・リムと共に強豪復活の立役者として称えられたが、アマデオ・サルボ元会長、元スポーツディレクターのルフェテと対立し、2人を追い出してから彼を支持する声は少なくなってしまった。

ヌーノの過ちは監督以上の権限を求め、独裁者となったことだ。彼はディレクターになり、チームを完全に掌握しようとした。そして采配も狂った。ローテーションは機能せず、勝ち点を思うように重ねられない。さらにはインタビューのちょっとした言葉に過敏に反応し、ネグレドを冷遇した。近頃はメスタージャのホームゲームでは「ヌーノ、出て行け」の合唱がチームのチャントと共に定番の歌となっている。

はたして、チャンピオンズリーグに出場している2つの大きなクラブの指揮官は、新年を今いるベンチで迎えられるのだろうか。

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