女性がクラブ経営で大活躍!SDエイバル経営陣の50%を構成

ラ・リーガ(スペインサッカー1部リーグ)で戦うSDエイバルは、エイバルというバスク州の小さな街に位置する。クラブの規模こそ小規模だが、日本代表MF乾貴士選手の活躍で日本での知名度も高まり、クラブの国際化にも積極的に励んでいる。しかし、このクラブの特質はそれだけではない。

男性層が圧倒的に多いサッカー界において、SDエイバル経営陣を構成する10人の内、5人が女性なのだ。更に、会長とGM(ゼネラルマネージャー)のポストを共に女性が務めているのは、1部リーグにおいてSDエイバルが唯一のクラブである。

女性を特別扱いしているわけではない。従来のコネ入社や他クラブからの引き抜きではなく、SDエイバルは男女問わず、クラブが必要とする人材リサーチと採用判断を専門企業に任せている。実際、パトリシア・ロドリゲスGMはスペインの就職ポータルサイト「Infojobs」を通じてSDエイバルに入団している。

そんなクラブの特徴は、毎週スタジアムを訪れるサポーターにも通じるものがある。女性サポーターが36%を占めるイプルアは、ラ・リーガ平均より6%高い。パトリシア・ロドリゲスGMは、このデータに関して「昔からエイバルの街では、多くの女性が労働者として貢献してきました。SDエイバルは、エイバルの街の反映そのものなのです」と、スペイン紙「エル・ムンド」の中で語っている。

更に注目すべき特質が一つある。先に述べたように、エイバルはバスク州内陸に位置する小さな街。選手達のパートナーにとっても、エイバルの生活と環境に馴染むのに苦労する方もいる。そこでクラブは、定期的に彼女達との交流の場を設け、精神面において心温かいサポートを行っている。この活動についてパトリシア・ロドリゲスGMは、「選手が試合に出場していない時、怪我をしている時、選手にとっては最愛の人の支えが一番大事」と語る。スペインサッカー界で新たな挑戦を続けるSDエイバル。今後もこのクラブの動向は注目だ。

 

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