ビセンテ・カルデロンの欧州50試合目は、正真正銘のラスト・ダービー

 アトレティコ・マドリードが、来シーズンからスタジアムを替える。ビセンテ・カルデロンは今シーズンまで。来シーズンはエスタディオ・デ・オリンピコ・デ・マドリードを使用する。新スタジアムは名前の通り、もしマドリードが2012、2016、もしくは2020年にオリンピックを招致していれば、メイン会場となっていたであろうスタジアムだ。来シーズンはすでにクラブの株式の20パーセントを持つ中国のワンダグループが、ネーミングライツを獲得し、ワンダ・メトロポリターノと呼ばれることが決定しているそうだ。

 1966年から使用されているビセンテ・カルデロンにとって、5月10日に行われるレアル・マドリードとの“ダービー”は最後のチャンピオンズリーグの試合となる。ビセンテ・カルデロンでチャンピオンズリーグの試合は、これまでに49試合行われた。ディエゴ・シメオネ監督が就任してから、決勝に2度進出するなど、すっかりチャンピオンズリーグの常連となったが、それは最近の話だ。2013-2014シーズンから4シーズン連続出場しているが、欧州の最高峰の舞台に彼らが参加していることは珍しかった。ましてや各国のリーグ戦王者だけが出場権を手にし、トーナメント戦形式だったチャンピオンズカップ時代は必然的に試合数も少なかった。49試合の内、実に22試合が最近4シーズンに行われたゲームだ。ディエゴ・シメオネ監督は17勝4分1敗という結果を残している。準決勝セカンドレグ、レアル・マドリード戦を残しているが、すでに特筆すべき勝利数だ。

 ちなみにビセンテ・カルデロンで初めて行われたチャンピオンズリーグのゲームは、1966年10月12日で、相手はスウェーデンのマルメだった。ホームチームは3-1で勝利している。

 今シーズンはビセンテ・カルデロンが最後ということもあり、アトレティコ・マドリードの多くのホームゲームに“最後の”という表現がついて回る。リーガでのレアル・マドリード戦も“最後の”ダービーと何度も喧伝された。欧州の舞台も、レアル・マドリードとのダービーも、ビセンテ・カルデロンで行わるのは、水曜日で本当に“最後”になる。11月19日に行われたリーガの最後のダービーでは、クリスティアーノ・ロナウドにハットトリックをやられた。チャンピオンズリーグでは、ファーストレグでまたポルトガル人にハットトリックを許し、決勝進出はとても難しい状況にある。だが、アトレティコ・マドリードは最後となる本拠地で、ライバル相手に無様な姿は見せられない。ビセンテ・カルデロンの最後にふさわしい“ダービー”を、ロス・コルチョネロスが望むような結果をアルゼンチン人指揮官が指揮するチームは示せるだろうか。 

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