ドローゲームのハーフタイムに生まれた“ゴラッソ”

5月2日に行われたスペインリーグ35節アトレティコ・マドリード対アスレティック・ビルバオ戦は0-0のドローに終わった。2つあった決定機(明確なPK判定を含む)が審判に認められず、ディエゴ・シメオネ監督のチームは勝ち点を2ポイント失った。ロス・コルチョネロス(Aマドリードサポーターの愛称)にとっては不満が溜まるスコアレスドローだった。

ゲームではゴールは生まれなかった。しかし、ハーフタイムではまさに“ゴラッソ”と呼ぶにふさわしい得点が生まれていた。スペインの各メディアがこぞって取り上げ、「ほとんど誰も見ていないゴラッソ(見事なゴール)」として紹介されている。

ゴールを決めたのは、友人たちからは“フォンタ”という愛称で呼ばれるアトレティコ・マドリードのサポーターだった。ハーフタイムに行われたビールメーカーが主催するPKゲームで、フォンタはゴールを狙ったが、シュートは惜しくもバーに嫌われた。

圧巻はそれからだった。

大きく宙に浮いたリバウンドをフォンタはゴールに背を向け、オーバーヘッドキックで合わせたのだ。アクロバティックなシュートは見事に決まり、それを見ていたわずかなサポーターは大きな拍手を送った。「キャプテン翼の大空翼のオーバーヘッドのようだ」と紹介するメディアもあった。

肝心のゲームはスコアレスドローに終わったが、ハーフタイムでそのゴラッソを目撃したロス・コルチョネロスはほんの少しは「今日はいいものを見た」と思って帰宅したかもしれない。

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