波乱万丈の元スペイン代表が43歳にして現役復帰を決心した動機

43歳の元スペイン代表がフットボールをもう1度プレーすることを決めた。彼はU.D.シエロというアストゥリアス州2部リーグに属するチームでプレーをする。

1971年生まれのファンエレは名選手だった。19歳でプロデビューを果たすとヒホン(1991~1994年)、テネリフェ(1994~1999年)、サラゴサ(1999~2004年)に在籍し、1994年ワールドカップはスペイン代表の一員として参加した。12シーズンリーガ1部でプレーし、346試合出場61得点、スペイン代表では5試合2得点を記録している。輝かしい実績を持つフォワードだ。

そんな彼だったが、現役引退後に人生は暗転してしまう。病気が彼の人生をめちゃくちゃにした。2007年に現役引退したファンエレはうつ病に冒されてしまう。うつ病により日常生活を送る能力がなくなった。37歳には薬物の過剰摂取により病院に搬送された。2011年には裁判所の召喚に応じず刑務所にも収容された。離婚した妻の車を壊したという暴力行為の罪に問われたのだ。

引退後に文字どおり波乱万丈の人生を送ってきたファンエレはうつ病が快方に向かうと、改めてフットボールをプレーをすることを決心した。なぜもう1度フットボールをプレーしようと思ったのか。その動機を地元紙『エル・パイス』でこう語っている。

「フットボールをプレーしていた時は幸せだった。人生の中で最も好きなことがフットボールをプレーすることだった。12シーズン最もレベルの高いところでプレーをして、コパ・デル・レイを2度勝ち取ったし、1994年のアメリカのワールドカップにも参加した。今はシエロでプレーできる。プレーできたら幼少期のように、最初のようにフットボールで私は幸せに感じるだろう。なぜなら幼少期は私の人生で最も幸せな時期だったからだ」

人生で最も幸せな時期を取り戻したい。そのためにファンエレは現役復帰を決心した。

ページトップへ