バイエルン・ミュンヘンを率いるグアルディオラ監督が舞台作品になった。グアルディオラに扮する主人公によるモノローグのフィクションだ。
グアルディオラがどのような話し方で選手たちに物事を伝えたのか。どんな言葉を使ってモチベーションをあげていたのか。時には音楽や映像を使い、どうチームをまとめていったのか。もちろん、グアルディオラはフットボールチームの監督だが、彼のスピーチや言葉、そしてその伝え方の根幹にあるものは、ビジネスのプレゼンなどでも応用できる。そんなグアルディオラの監督の成功の秘訣に迫ったのが「ペップ・トーク」という題名の舞台だ。すでにダブリンとニューヨークで成功をおさめた本作品が、今年4月下旬から5月中旬までバルセロナでも催されている。
グアルディオラは今はドイツの名門を率いているが、いまだにバルセロナでは「絶対的なカリスマ」として人々から愛されている。バルセロナのクラブ史上最強のチームをつくったその手腕を人々は忘れない。この作品の題材は、3人のカタルーニャ州出身者が考案したもので、グアルディオラがバルセロナの監督を務めていた当時から舞台化への作業を進めていた。
「サッカーを愛する人と舞台を愛する人という、とてもかけ離れた観客対象をひとつにしようとするこの作品は刺激的な挑戦だった」と彼らは話している。
グアルディオラの役を務めるガルシア・パスクワルは、毎週金曜日の昼食後に当時バルセロナの指揮官だったグアルディオラの試合前記者会見を見て特別なものを持っていると感じていた。また、なぜグアルディオラが指揮したバルセロナに関して映画やドキュメント映画がつくられないのだろうと疑問に思っていた。そんなカタルーニャ人の思いが舞台として形になったようだ。
グアルディオラの言葉は選手だけでなく、他の分野のプロフェッショナルも刺激しているようだ。