在西日本人建築家による『スペイン建築シリーズ』。
シリーズ第1回目は、現代に完成した「未完の建築」/モンフェリの教会をご紹介。
ガウディの建築は、バルセロナの、そしてスペインのハイライトの一つと言ってよいが、スペインには歴史的建造物から、現代に建てられた建築まで、ガウディの建築と同様に魅力的な建築物が溢れている。この『スペイン建築シリーズ』では、そのような「未だ広く知られていないスペインの建築物」にスポットをあてながら紹介していきたいと思う。

モンセラットの山をイメージした外観

モンセラットの山(手前はモンセラット修道院)photo by Gyrofrog

色とりどりのハート形のステンドグラス
実のところ、この教会は長い間ジュジョールによる「未完の建築作品」であった。教会建設の構想は1922年に始まり、1925年より建設が始まる。ところが、政治的、経済的理由により1931年に建設は中断されてしまう。56年後、ジュジョールは既にこの世を去っていたが、有志によって建設が再開され、それからさらに12年後の1999年に遂に完成を見た。規模は小さいが、その建設過程は、まさにサグラダ・ファミリア教会のそれを彷彿とさせるような紆余曲折があったのである。
以下、ジュジョールの代表作。
・カサ・バトリョ(アントニ・ガウディとの恊働)/バルセロナ/1906
・カサ・ミラ( アントニ・ガウディとの恊働)/バルセロナ/1908
・メトロポール劇場/タラゴナ/1908
・グエル公園( アントニ・ガウディとの恊働)/バルセロナ/1910
・トーレ・デ・ラ・クレウ/サン・ジョアン・デスピ/1913
・サグラット・コル・デ・ジェスス・ビスタベーリャ教会/ラ・セクイータ/1918
・モンセラットの聖母教会/モンフェリ/1926
・1929年万博記念噴水/バルセロナ/1927
・サンタ・マリア・デル・ピ教会のバラ窓の修復/バルセロナ/1943
スペイン建築シリーズは週1~隔週でお届けする予定です。第2回目もどうぞご期待ください。