フランスのアルストム社は、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー先進国であるスペインで、世界最大の風力発電用風車“アリアデ150”の開発に成功した。“アリアデ150”は、回転翼の直径が実に150mにも達することから、“アリアデ150”と名付けられている。
アルストム社がスペインで“アリアデ150”を開発したのは、スペインが全消費電力のうち約10%程度を風力発電でまかなっているという「風力発電先進国」となっているからだ。アルストム社は、スペインが誇る風力発電技術の助けを借り、ひとつの羽の長さが73,5mという超巨大風力発電機“アリアデ150”を作り出すことに成功したというわけだ。アルストム社では、この風車1機あたりの出力電力は6メガワットで、常時5000家庭以上への電力供給が可能になるとしている。
アルストム社は数ヶ月にわたり“アリアデ150”の試験を繰り返した後、今秋にはベルギー湾岸に「浮体式洋上風力発電機」として“アリアデ150”を設置することを目標としている。さらにその後には“アリアデ150”の増産を行い、2013年から2014年にかけて、市場に同機を展開していく予定だという。
知ってのとおり、フランスは日本と並び原子力発電大国となっているが、昨年の日本での福島第一原発の事故以降、再生可能エネルギーが見直されつつあるという。そのため、アルストム社は“アリアデ150”を武器に、フランスに限らず、ヨーロッパ各地で洋上風力発電を可能にしたいと考えているという。実際、同社はフランス電力公社らと組み、ブルターニュ、ノルマンディー地方湾岸の洋上風力発電機設置の権利を落札している。
スペインの誇る技術が、ヨーロッパNo.1の原子力発電大国を、再生可能エネルギー大国に生まれ変わらせることになる日も、もうすぐそこまで来ているのかもしれない。