もっとも強くて美しい橋

先日、スペイン北部の町ビルバオで、“ある馴染み深いもの”を使った一風変わったコンテストが開催された。
それは「アイスの棒!」

アイス棒を使って模型橋を制作し、その上に薄い銅板を載せ、その耐久性を競われるのである。また美しさも比較され、賞には「耐久性」と「美」の二部門がある。

このコンテストは2001年より毎年ビルバオ工学高等技術学校主催で行われており、今回で11回目を数える。今大会には7つの模型橋チームが参加していた。

昨年の大会では702kgの重さに耐えた模型橋が登場し、耐久性部門で優勝をかっさらっていった。

今回も少し板を載せただけで簡単に倒壊してしまうものなど様々だった。そんな中、パブロ・セアラ氏が、200kg以上を上回る909kgの重さに耐える橋の模型を制作し、その記録を塗り替えている。彼はこれまでも11回のコンテストうち、何と7回も優勝しているベテラン“建築士”である。

この橋を造るのに7,000本ものアイスの棒を使用し、200時間もの時間を費やしている。その模型橋の重量は何と7.5kgにもなるという。

しかし過去の大会と同じように、橋の耐久性が寸法とトポロジー(位相幾何学)によって計測されるため、パブロ・セアラ氏が真の優勝者とはならなかった。

今回その栄誉に輝いたのは、ロベルト・ポルボロサ氏。彼の作った424kgの負荷に耐えた「反懸垂線状の模型橋」が、耐久性と美の両部門で優勝。2冠の栄誉に輝いている。彼は昨年、美部門で優勝していたが、これまで耐久性部門では勝利したことがなかった。

それにしても、最終的に壊れるものを造るその熱意には脱帽してしまう。またこれに参加している人たちはどのようにしてそれだけのアイスの棒を集めてきているのだろうか?アイスメーカーや友人に協力してもらうのか、それともアイス好きなのか?いろいろな点で、興味は尽きなそうだ。

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