フッボリンの生みの親をマンガ化

スペイン版「フッボリン(futbolín)」の生みの親と知られるガリシア州出身のアレハンドロ・カンポスの人生が、イタリア人マンガ画家アレッシオ・スバターロ氏によって作品化されるそうだ。

「フッボリン」は日本で“テーブル・フットボール(サッカー)”と呼ばれるもので、テレビゲームが生まれるずっと前からサッカーゲームの定番として欧州のバーなどで親しまれているゲームだ。一列に3~4体のサッカー選手の人形が取り付けられた棒を前後にひねって操作するあのゲームである(※写真)。

フッボリンの発明者については欧州各地で色々な説があるが、スペインでは、アレハンドロ・フィニステーレ(出身地フィニステーレにちなんで付けられたアレハンドロ・カンポスの通称)がスペイン版フッボリンの現在形を完成させたといわれている。彼は88年間の波瀾万丈な人生を送った人物で、それをアレッシオ・スパターロ氏は作品にしたくなったようだ。

アレハンドロ・フィニステーレは、1919年にイベリア半島最西端のラ・コルーニャ県フィニステーレ(“地の果て”の意)に生まれ、その後家族で移り住んだラ・コルーニャ市で育った。フラメンコのサパテアード(タップダンサー)として人生を歩み始めたが、青年期に参戦したスペイン内戦で大きな怪我を負い病院に搬送される。そこで自分と同じく負傷し、サッカーをプレイすることができない多くの青年たちと出会ったことから(テーブル上でプレイができる)「フッボリン」を考案したとされている。30歳前後からはグアテマラ、メキシコへとスペインから亡命し、編集に携わる仕事をしていた。フランコ政権(スペインで1975年まで36年間続いた独裁政権)終了後にスペインに帰国、サモーラで亡くなった。

彼の人生が描かれたマンガは来年完成するようだ。

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