マドリードと言えば、真っ先にレアル・マドリードを思い出す人がいるだろう。しかしこの地域にはもう一つ、世界トップのスポーツクラブがある。その名は「インテル・モビスター」。フットサル(スペインだとフットボール・サラと呼ばれる)の世界で燦然とした記録を持ち続ける、世界トップクラブである。
「インテル・モビスター」は、マドリードの中心駅アトーチャからRenfe(近郊列車)で約35分の街、アルカラ・デ・エナーレスを本拠地としている。1977年に創立し、リーガが開始された1979年(1989年から現在のリーガに変更)からこれまでの23年間で、国内タイトルはリーガ17回、コパ・デ・エスパーニャ10回、スーペルコパ・デ・エスパーニャ10回、国外タイトルは、UEFAカップ4回、レコパ1回、インターナショナルカップ5回、コパ・イベリア2回を獲得。その数実に47になる。このようにインテルは国内外のタイトルを総なめにし、その経歴は他の追随を全く許していない。
しかし近年はバルセロナの台頭、ベテラン選手の移籍による若返りが続いている。昨シーズンのリーガでは準々決勝で敗退、タイトルはインターナショナルカップのみと思わしい成績を残せていない。2007-2008シーズンが最後のリーガ優勝と遠ざかっている。
今シーズンはすでに、リーガ開幕前のスーペル・コパでバルセロナを倒し、タイトル獲得の好発進。またクラブは年間パスを50ユーロ(1ユーロ105円計算で約5,250円)で販売、さらに同伴者にプラス1ユーロで年間パスを販売と太っ腹なキャンペーンを行った。それが功を奏したのか、先月のバルセロナとの大一番となったリーガのホームゲームには、 4,500名収容の会場がほぼ満員となった。結果は1対1。それでもリーガは昨シーズン同様苦戦しており、第11節消化時点で5勝3分2敗。首位バルセロナとの勝ち点8差の6位(16チーム中)と振るっていない。しかし2名のGKルイス・アマド、フアンホ、また、オルティス、アルバロ、ポラ、マトモロスとスペイン代表6名を擁すインテルの大きな巻き返しが今後期待されることだろう。スペイン代表は過去2回のワールドカップで優勝。前回の2008年ワールドカップは準優勝。次回は2012年タイ大会である。
マドリードに立ち寄った際は、サッカーだけでなく、日本でもフットサルのリーグができたことだし本場のフットサルがどういったものかを堪能してみるのもいいだろう。インテル・モビスターの入場料は通常全席自由席で7ユーロ(約735円)である。