Mes: abril 2015

スペインを示すエピソード、エイバル監督の会見退席

エイバルのガイスカ・ガリタノ監督が試合後の会見を途中で中断し、引き上げてしまった。エイバルは4月26日に行われたスペインリーグ33節、アウェーでのアルメリア戦で0-2で敗れた。 そのゲーム後に行われた会見で、エイバルの指揮官は最初の2つの質問をバスク語で返答した。その後、アルメリアの地元記者がその返答に不満を漏らすと、ガイスカ・ガリタノは退席してしまった。 ガイスカ・ガリタノは最初に質問した記者がバスク語で話したので、バスク語で返答した。その時にすでにアルメリアの地元記者は不満を言うと、2つ目の質問もまたバスク語で行われ、指揮官は1つ目の返答同様にバスク語で応じた。すると地元記者の一部がまたも不満を示すと、監督はそれを見て退席してしまった。 ガリタノはバスク語を尊重しないアルメリアの記者たちに怒って、退席したのだろう。この出来事はスペインで注目を集めている。スペインではカタルーニャ州がカタロニア語(カタルーニャ語)、バレンシア州がバレンシア語、ガリシア州ではガリシア語、そしバスク州ではバスク語が話される。中には方言ではなく、公式文書、書類でも公用語として認められている。 スペインは各地域によってキャラクターが大きく違い、多様な文化を持つそれぞれの民族が集まり、1つの国として形をなしている。雨が多いガリシア州の人間と、常に太陽があり、温暖な日が続くアンダルシア州の人間のキャラクターは当然ながら違う。それはスペインの魅力の1つでもある。ただ、アルメリアの地元記者たちはその多様な文化を尊重しなかった。 同会見に同席したアルメリアのプレス担当は、1つ目と2つ目の質問の間に不満を言った地元記者に対して、このように語りかけていた。「アルメリアは6シーズンも1部におり、君たちも分かっているはずだ。バルセロナがここに来た時も最初にカタロニア語での質疑があってから、次にスペイン語で話している。もう少しリスペクトしてください。すみません、監督続けてください。」 しかし、プレス担当のこの呼びかけも虚しく、2つ目の質疑の後にも不満があがり、ガイスカ・ガリタノ監督は退席してしまった。 多様な文化があり、そこに誇りを持つ人間がいて、それに対して、その言語を尊重しない人間(またバルセロナのようなビッククラブの前ではそんな不満を示さず、エイバルのような小さいクラブに対しては不満を言う)がいる。スペインという国を示す象徴的な出来事だった。

ラキティッチはテニス選手になりたかった

昨年の全米オープン決勝で、錦織圭と決戦い、グランドスラム初優勝を達成したマリン・チリッチ。4月20日から開催されたバルセロナ・オープンのため、クロアチア人テニスプレーヤーは同街に滞在していた。 4月19日の午前中には、バルセロナのトレーニングセンターを訪ね、同胞のラキティッチと初めての対面を果たした。有名なプロスポーツ選手同士だ。もちろんお互いのことは知っていたが、直接話をするのはこの日が初めてだった。2人は1時間に渡って、会話を楽しんだ。 面白いことに幼少時代に2人はそれぞれサッカーとテニスをしていた。クロアチアのナンバー1スポーツはサッカーだ。マリッチも周りの大半の子どもとテニスをしながらも、同じようにサッカーをしていた。一方、ラキティッチもサッカーをしながら、テニスをしていた。マリン・チリッチは、その後にテニスだけに専念。ラキティッチはテニスが好きで、テニスプレーヤーになることを考えていたが、13歳の時に父親のアドバイスもあり、サッカーだけに専念することになった、というエピソードを同胞に明かした。2人のエリートのアスリートだ。その運動能力を持ってすれば、ラキティッチはテニスプレーヤーに、チリッチはサッカー選手、と今の2人の立場が全く逆でもおかしなかったのかもしれない。 ラキティッチは今シーズン、バルセロナに入団したばかりだが、もうすでに何シーズンもプレーしているかのようにすんなりと適応した。2人のゴールキーパーと共にラキティッチという新戦力も今シーズンのバルセロナの語る上で欠かせない。セビージャからやって来たクロアチア人はインタビューで「メッシがどのようにしてドリブルしているのか、イニエスタがどんな風にパスをしているのか、わからない。僕はいつもイバン・ラキティッチでいなければいけない」と語っている。周りの選手の真似でなく、チームのスタイルに適応させようとするのではなく、自分のプレースタイル、信念を貫くことがラキティッチがバルセロナで成功した秘訣なのかもしれない。

【スペイン遠征2015春】ガンバ大阪U-15様

ガンバ大阪U-15の皆様が、3月31日(火)から4月7日(火)の日程でスペイン遠征を行いました。マドリード地方、そして北部へ移動し、バスク地方での遠征。昨年度も対戦したレアル・ソシエダ、アスレティック・ビルバオといったリーガの名門育成クラブとの再戦が実現しました。遠征の様子を写真と共にご紹介致します。 バジャドリードU-15チームと親善試合。 試合後、1982年スペインW杯時に建築されたホセ・ソリージャスタジアム内部を見せてもらいました。バルデラマやイギータといったコロンビアの英雄がプレーし、城選手もプレーしたクラブとして知られています。 バスク地方ギプスコア県にあるエイバルに移動。人口3万人弱の小さな町にもフットボールが存在していました。山に囲まれた合宿地のようなグランドでトレーニングをおこないました。 大会初戦の相手はサラゴサ。激しい試合を制したのはガンバ大阪。3-2で勝利! 昨年度も対戦したレアル・ソシエダ。今年は大会での真剣勝負で粘り勝ち。1-0で勝利を収めました! 決勝戦で対戦したのは、これまた昨年も対戦したアスレティック・ビルバオ。 緊張感溢れる雰囲気の中で行われた一戦。 両者譲らない互角の緊迫したゲームをした両チーム選手達。ガンバ大阪も多くの決定機を作り出しましたが、結果はAビルバオが試合終了3分前にゴールを決め、それが決勝点に。競争心剥き出しの素晴らしい戦い、両チームにはスタンドからも温かい拍手が送られました。 これまでスペインの育成年代トップクラスのクラブと全く遜色ない試合を続けてきたガンバ大阪の選手達。今年も大会での真剣勝負を通してピッチ内外で多くの『気付き』があったと願っております。チームのご活躍をお祈りしております! ガンバ大阪の皆様、大変お疲れ様でした!

【告知】JSports「デイリーサッカーニュースFoot!」

今週の金曜日に、先日のロケで収録したインタビューが 放送されます!ぜひご覧になってください! ■放送日時:4月24日 (金) 午後10:00~午後11:00 ■番組名:デイリーサッカーニュース Foot! FRIDAY“ESPECIAL” ■番組紹介: ▽~フットボリスタ木村編集長のスペインリポート~ 3シーズンぶりのCL出場圏を狙うバレンシア。 今シーズンから指揮を執るヌーノ監督のフットボール哲学に迫る。 ‪ ※公式サイト→JSportsデイリーサッカーニュースFoot! http://www.jsports.co.jp/football/foot/

【告知】マヨルカジャパン

現在日本にいる弊社スタッフから届いた写真をご紹介します! スペイン王室御用達グルメストア「Pasteleria Mallorca/パステレリア マヨルカ」がついに海外初進出! いよいよ明日24日(金)、マヨルカジャパンのグランオープンです! 皆さま、是非足を運んでみてください! ◆住所:〒158-0094 東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズS.C. テラスマーケット2F ◆営業時間:8:00~23:00 ◆最寄り駅:東急田園都市線・大井町線「二子玉川駅」 ◆公式ホームページ:http://www.pasteleria-mallorca.jp/

【スペイン遠征2015春】早稲田大学女子水球部様

昨年夏にスペインにお越しになった男子部に続き、早稲田大学女子水球部様(選手10名、スタッフ1名)が 2015年3月15日(日)から3月22日(日)までバルセロナ遠征を実施しました。 スペインの中でもバルセロナ(カタルーニャ州)は水球のメッカとして知られており、スペイン代表のほとんどがカタルーニャのチームに所属している上、バルセロナ郊外にあるCN Sabadellは2年連続でヨーロッパ女王の座に輝いています。レベルを試すのにはまさに絶好の場。 早稲田大学女子水球部の皆さまはスペイン入りした翌日から様々な会場に移動し、オリンピック代表選手などもがトレーニングするこのプール↓や、 地中海の横にあるこのプール↓などで、現地のクラブチームと親善試合を行いました。 試合後は相手チームと仲良く記念撮影。 試合の合間にはバルセロナの観光スポットへ! 時差や連戦の疲れを全く感じさせることなく、選手たちはフリータイムも全力で楽しんでいました! 1週間で10試合というハードスケジュールでしたが、病気も怪我もなく、一週間のバルセロナ遠征を無事終了することができました。 プール内外の体験を楽しんでいただけたでしょうか? この遠征が少しでもチームの強化に繋がれば嬉しく思います。 皆さまのご健闘をバルセロナよりお祈りしています! 早稲田大学女子水球部の皆さま、大変お疲れ様でした!!

【スペイン遠征2015春】鹿島アントラーズU-12様 

鹿島アントラーズU-12の皆様が、2015年3月28日(土)から4月5日(日)までポルトガル南部で行われた国際大会参加のため海外遠征を行いました。 ポルトガルの強豪クラブ、ベンフィカ、FCポルト、スポルティング・リスボンに加え、インテル、ユベントス、ベティス、セルタ、バスコ・ダ・ガマ、リバプールなどの育成チームに加え、世界中からタウンクラブも集まる国際大会に、鹿島アントラーズU-12の選手達が参戦しました。写真にて遠征の様子をご紹介致します。 ポルトガルの首都リスボンからバスでの長旅を終え、ビーチで軽い練習を行いました。 いよいよ大会開会式。入場行進を待つ選手達。 予選で対戦した南アフリカのスクールチームと。 招待チームが揃うホテルで夕食。 ポルトガルのSCオラネンセと対戦。 優勝はユベントス、スポルティング・リスボン、インテルを次々に破ったスペインのセルタが優勝、決勝戦後に閉会式が行われました。 様々な特徴を持つチームと対戦した一週間。国際大会を通して各々選手たちは、新たな刺激を受けた様子でした。 鹿島アントラーズU-12の皆様、大変お疲れ様でした。 皆様の御健闘をお祈りしております!

【番組】テレビ東京「Crossroad」

ノバジカが取材撮影にご協力させて頂いた番組が下記のとおり放送予定です! ■番組名:Crossroad(クロスロード) ■放送派:テレビ東京系列 ■放送日時:2015年4月25日(土)22:30~23:00 ■番組紹介(公式サイトより): 様々な分野で活躍する毎回一人(一組)の”挑戦し続ける人”を紹介。 この番組は、チャレンジし続ける人を応援する”応援ドキュメンタリー”。 築いてきた地位にただ安住することはせず、常に「新しい結び付き」「新しい切口」 「新しい活用法」などを追い求め、さらなる価値観を創造する人々・・・。 そんな”挑戦し続ける人たち”に迫ります。 — 先日アルメリアで開催された卓球のスペイン・オープンにも参戦された、 日本代表女子選手が登場予定です。 ※詳細は番組公式サイト「Crossroad」 http://www.tv-tokyo.co.jp/crossroad/ ぜひご覧ください!

【番組】JSports「デイリーサッカーニュースFoot!」

ノバジカがスペイン各地での取材撮影にご協力させていただいた番組が今週金曜日に放送予定です! ■番組名:デイリーサッカーニュースFoot!~FRIDAY“ESPECIAL”~ ■放送派:J Sports2 ■放送日時:2015年4月17日(金)22時~23時 ■番組紹介(公式サイトより): ▽今季途中からレアル・ソシエダの指揮をとるモイーズ監督のインタビューをお届け。 イングランドとスペインの違い、ラ・レアルでの挑戦について語ります。 ※公式サイト→JSportsデイリーサッカーニュースFoot! http://www.jsports.co.jp/football/foot/

【番組】JSports「デイリーサッカーニュースFoot!」

ノバジカがスペイン各地での取材撮影にご協力させていただいた番組が明日放送予定です! ■番組名:デイリーサッカーニュースFoot! ~THURSDAY“~ ■放送派:J Sports2 ■放送日時:2015年4月9日(木)22時~23時 ■番組紹介(公式サイトより): ▽Aマドリー、ディエゴ・ゴディン インタビュー。 アトレティコそしてウルグアイ代表でディフェンスの中心選手として活躍。 シメオネ監督の指導やゴディンの考えるディフェンス像を語ります。 ※公式サイト→JSportsデイリーサッカーニュースFoot! http://www.jsports.co.jp/football/foot/

シーズン中に何度も変わる批評

選手にとって、コロコロと変わるのが、世間の評価だ。4月5日に行われた29節のグラナダ戦でレアル・マドリードは9-1で大勝した。エースのクリスティアーノ・ロナウドは9得点のうち1人で5得点を奪った。レアル・マドリードで1試合に5点を奪った選手は、2001-2002シーズンのモリエンテス以来となる。 ロナウドは2015年に入ってから、リーガにおいてサンティアゴ・ベルナベウで、PKで1ゴールしか奪っていなかった。さらにはアトレティコ・マドリード戦で大敗した後に盛大な30歳の誕生日パーティーを催したり、得点数の低下と共にその批評は大きくなるだけだった。敗れたとはいえ、“エル・クラシコ”でゴールを決めても、マドリディスタ、そしてそんなサポーターの感情、オピニオンを先導するマドリード寄りのメディアの味方は手厳しいものだった。 それが5得点を決めると一変、手の平を返したように称賛が始まる。それまで得点を奪えなかったのは、モドリッチやハメス・ロドリゲスがいなかったからという分析はそこそこに、いつものような過剰で盛大な賛美が始まる。 一方、リーガ首位を走るバルセロナは“エル・クラシコ”で手にしたリードを何とか維持している。セルタ戦ではマテューのヘディングで勝利したが、レアル・マドリード戦も含めて、ここ2試合のパフォーマンスは低調で、決して褒められたものではない。それでもゲームに勝利し、何とかリーダーの位置を守っているから批判は起こらない。負けていれば、ここ1ヵ月得点がなく、決定機を外し続けているネイマールが手の平を返されたような批評を受けることになるだろう。 バルセロナには黄金期を築いたような華麗なパス回しはもうない。今は偉大なスリートップの能力を全面に押し出すだけのフットボールだ。かつてのチームと比べるべくもなく、美しいフットボールをしているのは、むしろレアル・マドリードの方だ。それでも何も起こらないのは「結果」を残しているからだ。 どんなに美しいフットボールをしても「結果」がなければ、誰も称賛はしない。